インプラント治療後に口臭が出る原因と改善方法
2025.09.15更新
「インプラント治療を受けた後、口臭が気になる…」このようなお悩みをお持ちではありませんか?
インプラントは見た目や噛む力を回復する治療法ですが、ケアが不十分だと口臭の原因になることがあります。
口臭の原因であるインプラント周囲炎や生活習慣の乱れを放置すると、インプラントの寿命にも影響するため、早めの対策が欠かせません。
本記事では、インプラント治療後に起こる口臭の主な原因と、その対処法や予防のポイントについて分かりやすく解説します。
インプラント治療後に口臭が出る原因
インプラント治療後に口臭が出る原因は、以下のとおりです。
- ・インプラント周囲炎による臭い
- ・プラークや食べカスの蓄積
- ・補綴物と歯肉の間の汚れ
それぞれ説明します。
インプラント周囲炎による臭い
インプラント治療後に口臭が出る原因の一つに、「インプラント周囲炎」があります。
歯周病に似た病気で、インプラントを支える歯茎や骨に細菌が感染して起こる炎症です。
インプラント周囲炎について詳しくは下記で説明しているので、合わせてご確認ください。
プラークや食べカスの蓄積
プラークや食べカスの蓄積も口臭が出る原因です。
インプラントそのものは臭いを発しませんが、表面や隙間に汚れが残ると細菌が増え、悪臭成分を作り出します。
補綴物と歯肉の間の汚れ
人工歯と歯茎の境目に細かい段差や隙間があり、プラークや食べカスが残りやすい構造になっています。
そこに細菌が繁殖すると、揮発性硫黄化合物と呼ばれる悪臭成分が発生し、強い口臭の原因になります。
インプラント治療後の口臭が気になるときの対処法
インプラント治療後の口臭が気になるときの対処法については、以下のとおりです。
- ・早めに歯科医院でチェックを受ける
- ・自宅でのケア方法を見直す
- ・食生活・習慣の改善
それぞれ解説します。
早めに歯科医院でチェックを受ける
インプラント治療後に口臭が気になるときは、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。
口臭の原因は、磨き残しやインプラント周囲炎・ネジの緩みなど様々あり、自分で特定できません。
歯科医院では、視診やレントゲン・口臭測定などで原因を調べ、適切な処置やケア方法を提案してくれます。
自宅でのケア方法を見直す
インプラント治療後に口臭が気になるときは、自宅でのケア方法を見直すことが重要です。
たとえば、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、歯と歯茎の境目やインプラント周囲を丁寧に磨くと予防になります。
食生活・習慣の改善
食生活や日々の習慣を見直すことは、インプラント治療後の口臭に対して有効な手段です。
繊維質の野菜や果物は唾液の分泌を促し、緑茶や発酵食品は細菌の繁殖を抑える効果があります。
逆に、ニンニクやアルコール類、糖分の多い食品は口臭を悪化させるため、控えることが望ましいです。
また、禁煙や水分補給・舌苔のケアを習慣化することで口腔環境が整うため、インプラントを長く快適に使い続けられます。
インプラントと口臭の関係を悪化させる要因
インプラントと口臭の関係を悪化させる要因は、以下のとおりです。
- ・喫煙やアルコール
- ・口呼吸
- ・ドライマウス
それぞれ説明します。
喫煙やアルコール
喫煙やアルコール類は、インプラント治療後の口臭を悪化させる要因です。
煙草に含まれる有害物質が歯茎や骨の回復を妨げ、インプラント周囲炎の発生によって、膿や出血による強い口臭を伴うことがあります。
さらに、喫煙は唾液の分泌を抑え、口腔内を乾燥させて細菌の繁殖を促します。
アルコールも同じく口内を乾燥させて、口腔内の自浄作用が弱まります。
口呼吸
口で呼吸すると口腔内が乾燥しやすくなるため、インプラント治療後に口臭が悪化する原因の一つです。
口腔内が乾燥すると唾液が不足して自浄作用が弱まり、細菌繁殖によって悪臭物質が発生します。
口臭を悪化させないためには、普段から意識的に鼻呼吸を習慣づけることが大事です。
ドライマウス
インプラント治療後に口臭が悪化する原因の一つがドライマウスです。
唾液の分泌量が減ると細菌が増えやすくなり、悪臭物質が発生することで口臭が強まりやすくなります。
ドライマウスは主に、睡眠中や起床直後に起こりやすいです。
また、ストレスや睡眠不足・加齢によって分泌が低下したり、アルコールやカフェインの過剰摂取によっても、ドライマウスになることもあります。
口臭を防ぐためのインプラントケア
口臭を防ぐためのインプラントケアについては、以下のとおりです。
- ・専用ブラシやフロスの使用
- ・定期的なプロフェッショナルクリーニング
- ・マウスウォッシュの活用方法
それぞれ説明します。
専用ブラシやフロスの使用
インプラント治療後の口臭を防ぐには、専用ブラシやデンタルフロスの活用が欠かせません。
天然歯と違い、歯と歯茎の境目や人工歯の段差に汚れが溜まりやすい特徴があります。
通常の歯ブラシだけでは歯垢の60%程度しか除去できませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると約80%まで改善できます。
定期的なプロフェッショナルクリーニング
インプラント治療後の口臭を防ぐには、セルフケアだけでなく、歯科医院での定期クリーニングが欠かせません。
歯ブラシやデンタルフロスでは落としきれない歯石やプラークがインプラント周囲に溜まりやすいため、専門の器具で汚れを徹底的に除去することが重要です。
自己判断せず、定期的に専門家のケアを受けることが大切です。
当院の定期メンテナンスについては、以下の参考ページをご確認ください。
マウスウォッシュの活用方法
インプラント治療後の口臭予防には、マウスウォッシュを取り入れると効果的です。
抗菌成分を含む洗口液は細菌の増殖を抑え、揮発性硫黄化合物などの悪臭成分の発生を防ぎます。
1日2〜3回食後や就寝前を目安に行い、舌苔の除去と組み合わせると、さらに口臭予防効果が高まります。
まとめ:口臭予防は日々のケアと定期検診が重要
本記事では、インプラント治療後に起こりやすい口臭の原因や、悪化させる生活習慣・予防のためのケア方法について解説しました。
インプラントは虫歯にならないものの、周囲の歯茎や骨は細菌感染を受けやすく、口臭やインプラント周囲炎のリスクがあります。
そのため、専用ブラシやデンタルフロスを使ったセルフケアと、歯科医院での定期的なクリーニングが大切です。
インプラント治療後の口臭が気になる方は、当院へお気軽にご相談ください。
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