インプラントは虫歯になる?仕組みと予防方法を徹底解説
2025.09.08更新
「インプラントを入れたいが、虫歯になるのか心配…」このような不安をお持ちではないでしょうか。
インプラントは人工素材で作られているため、虫歯にはなりません。
しかし、インプラント周囲炎を起こすリスクがあり、予防するには正しいセルフケアと定期的な歯科メンテナンスを行う必要があります。
本記事では、インプラントが虫歯にならない理由と周囲炎のリスク、長持ちさせるためのケア方法について分かりやすく解説します。
インプラントは虫歯になるのか
インプラントが虫歯にならない理由について、以下のとおりまとめました。
- ・天然歯との構造の違い
- ・人工歯部分は虫歯にならない理由
- ・虫歯ではなく「インプラント周囲炎」が問題になる
それぞれ見ていきましょう。
天然歯との構造の違い
インプラントは、天然歯と構造に違いがあります。
インプラント | チタン製の人工歯根、アバットメント、人工歯 |
天然歯 | エナメル質、象牙質で神経あり |
インプラントはセラミックやジルコニアなど人工素材で作られていて、虫歯の原因になるエナメル質がありません。
インプラント自体には神経がないため、虫歯による痛みが出ることはありませんが、周囲の歯や歯ぐきは天然組織であるため炎症を起こすことがあります。
人工歯部分は虫歯にならない理由
人工歯が虫歯にならない理由は、虫歯の原因であるエナメル質を持たないことにあります。
虫歯は、菌が作る酸によってエナメル質が溶けることで発生します。
人工歯は天然歯のようにカルシウムやリンが溶けだすこともなく、神経もないため、虫歯の進行による痛みも起きません。
虫歯ではなく「インプラント周囲炎」が問題になる
インプラントは人工素材でできているため虫歯にならない代わりに、「インプラント周囲炎」という病気が問題になります。
主な原因として、歯垢や歯石の蓄積・喫煙による血流悪化・歯ぎしりによる負担などが挙げられます。
症状が進むとインプラントが抜け落ちることもあるため、歯ブラシや歯間ブラシ・デンタルフロスを使って、毎日丁寧に歯磨きを行うことが大切です。
インプラント周囲炎以外のリスクについては下記の記事で解説しているので、参考にしてください。
インプラント周囲炎のリスクと症状
インプラント周囲炎のリスクと症状については、以下のとおりです。
- ・プラークが原因で炎症が起こる
- ・放置するとインプラントが脱落する可能性
- ・歯周病とインプラント周囲炎の関係性
それぞれ説明します。
プラークが原因で炎症が起こる
インプラントは、プラークが原因で「インプラント周囲炎」を発症するリスクがあります。
プラークには細菌が多く含まれているため、歯肉に炎症を起こすと歯周病に似た症状が出ます。
天然歯と違って歯根膜がないため、炎症が早く進む点に注意が必要です。
放置するとインプラントが脱落する可能性
インプラント周囲炎を放置すると、脱落の危険があります。
炎症が進むと顎の骨が吸収され、インプラントの固定力が弱まり、ぐらつきや動揺が起こるためです。
さらに放置すると、インプラントが破損したり、骨から抜け落ちたりします。
歯周病とインプラント周囲炎の関係性
インプラント周囲炎は、プラークや歯石の蓄積によって細菌が歯肉に侵入し、炎症を起こします。
インプラントには歯根膜がないため、防御力が弱く、炎症が早く進む点が相違点です。
インプラント周囲炎を防ぐためのケアについて
インプラント周囲炎を防ぐためのケアについては、以下のとおりです。
- ・毎日のセルフケアのポイント
- ・定期メンテナンスの重要性
- ・喫煙や生活習慣の見直し
順番に説明します。
毎日のセルフケアのポイント
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のセルフケアが欠かせません。
歯ブラシだけだと除去率が60%にとどまるため、歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、80%まで高める必要があります。
定期メンテナンスの重要性
インプラントの炎症を防ぐには、歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。
メンテナンスでは歯科医師が専門的なクリーニングを行い、インプラントの周囲や骨の状態を確認します。
インプラントを快適に使い続けるには、半年から1年に一度、定期検診を受けることが大切です。
当院のメンテナンスについては、以下の参考ページをご確認ください。
喫煙や生活習慣の見直し
インプラント周囲炎を防ぐには、日々の口腔ケアに加えて、喫煙習慣や生活全般を見直すことが大切です。
たとえば、喫煙は血流の悪化によってインプラント結合を妨げるため、治療後3か月ほどの定着期間は禁煙が推奨されています。
歯ぎしりや食生活・飲酒・激しい運動など、インプラントに負担をかける生活習慣は、見直す必要があります。
インプラント治療後の生活で注意すべきこと
インプラント治療後の生活で注意すべきことは、以下のとおりです。
- ・硬い食べ物の扱い方
- ・歯ぎしり・食いしばり対策
- ・専用の歯ブラシやフロスの活用
それぞれ解説します。
硬い食べ物の扱い方
インプラント治療後は、硬い食べ物の扱いに注意が必要です。
手術直後から3か月間は、インプラントを顎の骨に結合させる重要な時期のため、この間に強い刺激を与えると定着が妨げられる可能性があります。
歯ぎしり・食いしばり対策
インプラント治療後は、歯ぎしりや食いしばりの対策をすることが大切です。
歯ぎしりや食いしばりを放置すると、強い力が加わることで顎の骨との結合が妨げられ、インプラントの脱落の原因になるため注意しましょう。
専用の歯ブラシやフロスの活用
インプラントを長持ちさせるには、専用の歯ブラシやデンタルフロスの活用が欠かせません。
手術直後は毛先の柔らかい専用ブラシで歯茎に負担をかけないように優しく磨くことが大切です。
さらに、デンタルフロスやワンタフトブラシを使うと、歯のすき間や磨きにくい部分の汚れも落とせます。
まとめ:虫歯よりも周囲炎予防がインプラント長持ちの鍵
本記事では、インプラントが虫歯にならない理由や、代わりに注意すべきインプラント周囲炎について解説しました。
インプラントは人工素材でできているため虫歯にはなりませんが、歯肉や骨の炎症リスクは高いため、毎日のセルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
インプラント治療を検討している方は、専門の歯科医院で自分の口腔環境に合ったケア方法を相談することが大切です。
当院では、年間300症例以上の実績があるので、下記よりお気軽にご相談ください。
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