インプラント治療は何歳から何歳まで受けられる?若い人が治療を受けるメリット
2024.10.25更新
「インプラント治療は何歳から受けられるの?」という疑問がある方もいるでしょう。
インプラント治療は骨格の成長が概ね完了する20歳前後を目安に開始でき、健康状態が良好であれば70代や80代でも治療を受けることができます。
若い年代では治癒力が高く残存歯への負担も軽減できる一方、治療費の負担や長期間のメンテナンスが必要になるという難点も存在します。
しかし、適切なタイミングで治療を行えば、年齢に関係なく生活の質を向上させることが可能です。
この記事では、インプラント治療を受けられる年齢や年代別のメリット・デメリット、費用について詳しく解説します。
インプラント治療は何歳から何歳まで受けられる?
インプラント治療に明確な年齢制限はありませんが、治療を受ける適切な時期というものはあります。
上限については健康状態が良好であれば高齢でも治療を受けることができ、年齢だけを理由に治療を諦める必要は全くありません。
一方、下限は20歳前後が一般的で、顎の成長が終わってからインプラント治療を受けられるようになります。
以下、インプラント治療の下限・上限について詳しく解説します。
インプラント治療の開始は20歳前後
顎骨の成長が終わる20歳前後(女性は18歳頃、男性は20歳頃)からインプラント治療の開始が一般的に推奨されています。
女性は18歳頃、男性は20歳頃に顎骨の成長が止まるとされており、この重要な時期を待ってから治療を検討するのが医学的に適切です。
成長期にインプラントを埋入してしまうと、周囲の骨が継続的に成長を続けることでインプラントの位置が大きくずれてしまう可能性があるのです。
個人差も大きく存在するため、詳細なレントゲン検査やCT検査などで骨の成長状況を慎重に確認してから治療開始の判断を行います。
インプラント治療に年齢上限はない
全身の健康状態が良好に保たれていれば、インプラント治療に厳格な年齢の上限は設けられていません。
実際に70歳や80歳を超えても治療を受けている方が多く存在します。
重要なのは単純な年齢ではなく全身の健康状態であり、糖尿病や心疾患などの基礎疾患が適切にコントロールされていることが絶対的な条件となります。
高齢者の場合は若い方と比較して治癒期間が長くなる傾向がありますが、適切な管理と丁寧なケアのもとで治療を慎重に進めれば、十分に良好な結果が期待できるでしょう。
骨密度の低下や長期服用している薬剤の影響、全身疾患による免疫力の変化なども詳細に考慮することが重要です。
インプラント治療は何歳で受ける人が多い?
インプラント治療を実際に受ける方の年齢層は幅広く、20代の若い方から80代の方まで多様な年齢の患者さんが積極的に治療を選択しています。
統計的には50代・60代・70代の方が最も多いとされており、この年代で歯周病や虫歯の進行により歯を失うケースが増加することが主な要因です。
一方で、近年は審美的な要求の高まりや生活の質への意識向上、また入れ歯やブリッジに対する心理的な抵抗感から、若い世代での治療希望者も増加傾向にあります。
年齢に関係なく、さまざまな理由でインプラント治療を最良の選択肢として選んでいる現状があります。
若い人がインプラント治療を受けるメリット
若い年代でインプラント治療を行うことには、年齢ならではの多くのメリットと長期的な利点があります。以下、若い人がインプラント治療を受けるメリットを4つ紹介します。
残りの歯の寿命を延ばしやすくなる
若い時期にインプラント治療を行うことで、残っている天然歯への過度な負担を軽減でき、歯の寿命を延ばしやすくなります。
適切な咬合バランスが保たれることにより残存歯の寿命が延び、将来的な歯科治療の必要性も減少するでしょう。
生涯にわたって健康な口腔状態を維持することが現実的に可能となります。
長期的な視点で考えれば、残りの貴重な歯を守るための重要な予防的治療としての側面も持っているのです。
健康な歯への影響が少ない
インプラント治療では隣接する健康な歯を削ったり、過度な負担をかけたりする必要がありません。
ブリッジ治療とは根本的に異なり、完全に独立した人工歯根として機能します。
部分入れ歯のように金属のバネを健康な歯にかける必要もないため、周囲の歯へのダメージを最小限に抑えられ、自然な状態を長期間維持できるのです。
若い方の場合は特に健康で価値の高い歯が多く残っているため、この利点は治療選択において重要な要素となります。
将来的に他の歯に予期しない問題が生じた場合でも、インプラント部分は完全に独立しているため治療の選択肢が広がり、柔軟な対応が可能となります。
会話や食事をより楽しめるようになる
インプラント治療により、社交的な活動や人間関係を一切制限されることなく心から楽しめるようになります。
入れ歯のように外れる心配がなく、天然歯と同じような咀嚼力が回復するためです。
硬い食べ物や粘着性のある食品も心配することなく安心して食べることができ、食事の制限がなくなることで栄養バランスも改善されます。
発音も自然になり、人前で話すことへの不安や恥ずかしさも解消され、自信を持ってコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
見た目の違和感が少ない
若い方の場合は歯肉の状態が良好で健康的であり、インプラント周囲の組織も長期間にわたって健康的に保たれやすくなります。
天然歯との境界が分からないほど、自然で美しい仕上がりに期待できるのです。
年齢を重ねてから治療を行う場合と比較して、歯肉の退縮や色調の変化が起こりにくく、長期間にわたって美しく自然な状態を維持できます。
特に審美性が重要視される前歯部のインプラント治療では、見た目の自然さと美しさが治療成功の重要なポイントとなります。
その点、若い時期に治療を行えばメンテナンスの習慣を確立できることもあり、継続的に美しさを保つことが可能です。
若い人がインプラント治療を受けるデメリット
若い年代でのインプラント治療には多くの利点がある一方で、いくつかの課題も存在します。経済的な負担や治療期間の長さなど、事前に理解しておくべき点があるのです。
治療費が負担になる
若い世代にとって30万〜50万円程度のインプラント治療費は、経済的に大きな負担となってしまいます。社会人になったばかりの方には特に重い出費です。
結婚資金や住宅購入の頭金など、同世代が直面するライフイベントの費用と重なることも多く、治療を躊躇してしまう原因となるでしょう。
デンタルローンや分割払いの選択肢はありますが、長期間の返済が必要となり、月々の家計への負担は避けられません。
とはいえ、早期治療により将来的な歯科治療費を抑制できる側面もあるため、長期的な視点での検討が必要です。
治療期間が長い
インプラント治療は検査から最終的な人工歯の装着まで、通常3ヶ月〜12ヶ月程度の期間を要します。
骨造成が必要な場合はさらに長くなることもあり、忙しい学業や仕事のスケジュールと治療日程を調整することがストレスに感じてしまう場合もあるでしょう。
就職活動や転職、引っ越しなどのライフイベントと重なると、継続的な通院が困難になる可能性もあります。
インプラント治療を受ける際は計画的なスケジュール管理が大切です。
定期メンテナンスに通い続ける必要がある
インプラントの治療が終わった後は、3ヶ月〜6ヶ月ごとにメンテナンスを受ける必要があります。
この定期メンテナンスは生涯にわたって必要となるため、若い方の場合は特に長期間の継続が求められます。
転勤や結婚による住居の変更が伴う場合もあり、同一の歯科医院での継続的なケアが困難になるケースもあるでしょう。
また、メンテナンス費用は1回につき5千〜1万円程度かかるため、長期間の累積では相当な金額となってしまいます。
しかし、定期メンテナンスを適切に継続することで、インプラントを数十年使用し続けることが可能です。メンテナンスの手間や費用、そしてQOLをトータルで考えることが大切です。
高齢者がインプラント治療を受けるリスク
高齢者のインプラント治療には年齢特有のリスクが伴うため、慎重な検討が必要となります。以下、高齢者が治療を受ける具体的なリスクを紹介します。
持病により治療を受けられない場合がある
糖尿病や心疾患、骨粗しょう症などの基礎疾患を抱える高齢者の場合、インプラント治療が困難になる場合があります。
血糖値のコントロールが不十分だと感染リスクが高まったり、インプラントの成功率が低下したりするためです。
抗凝固薬などの薬を服用している場合は出血のリスクが増大し、治療自体が危険となることもあるでしょう。
これらのリスクを防ぐためにも、高齢者がインプラント治療を受ける際は、事前の内科医との連携と総合的な健康状態の評価が重要となります。
感染症にかかりやすい
加齢により免疫力が低下している高齢者は、インプラント周囲炎などの感染症を起こしやすくなります。治癒力の低下により感染が長期化することもあるのです。
口腔内の清掃が不十分になりがちな高齢者では、細菌の繁殖により感染リスクがさらに高まります。
全身疾患の治療薬によって免疫機能が抑制されている場合は、特に注意深い管理が必要です。
インプラント治療を受ける場合は、定期的な検診と専門的なクリーニングを徹底し、感染リスクを最小限に抑えるための工夫が求められます。
定期メンテナンスが大きな負担になる
高齢者にとって定期的な歯科受診は、身体的にも経済的にも大きな負担となる場合があります。通院自体が困難になることも珍しくありません。
足腰の不調により歯科医院への移動が困難になったり、認知機能の低下により治療スケジュールの管理が難しくなったりすることもあるでしょう。
家族のサポートが得られない場合は、継続的なメンテナンスの実施が現実的に困難となってしまいます。
また、経済的な制約により、必要な頻度でのメンテナンスを受けられない場合もあります。
インプラント治療の費用や保険適用の有無
インプラント治療を検討する際には、実際にかかる費用や保険適用の有無が重要な要素となります。以下、具体的な費用と保険適用の有無について詳しく解説します。
インプラント治療の費用
インプラント1本あたりの治療費は、一般的に30万〜50万円程度が相場となっています。地域や歯科医院により価格差は存在するものの、決して安い治療ではありません。
検査・診断料として1万5千〜5万円、インプラント本体が10万〜20万円、人工歯が5万〜20万円程度かかります。
手術費用は15万〜35万円と幅があり、骨造成などの追加処置が必要な場合はさらに費用が上乗せされます。
複数本の治療が必要な場合は総額が100万円を超えることも珍しくありません。
分割払いやデンタルローンなどの支払い方法を活用すれば、支払いの負担を月々に分散することが可能です。
インプラント治療の費用相場については以下の記事で詳しく解説しています。
インプラント治療は保険適用外
インプラント治療は原則として健康保険の適用外となる自由診療であり、治療費は全額自己負担となります。
先天的な疾患や腫瘍、外傷による広範囲の顎骨欠損など、極めて限定的な条件でのみ保険適用が認められています。
一般的な虫歯や歯周病による歯の喪失では、保険適用の対象となることはありません。
一方で、医療費控除の対象にはなるため、確定申告により治療費の一部が還付される場合があります。
今後の制度改正により保険適用範囲が拡大される可能性もありますが、現状では患者さんの経済的負担が大きいのが実情です。医療費控除については以下の記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、インプラント治療を受けられる年齢や年代別のメリット・デメリット、費用について解説しました。
インプラント治療は20歳頃から年齢上限なく受けることができ、若い年代では治癒力の高さや審美性の維持、高齢者では生活の質向上が期待できます。
治療費は1本30万〜50万円程度で保険適用外となるため、年代を問わず経済的な負担を十分に検討することが重要です。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、年間約500本という豊富な実績と最新設備により、幅広い年齢層の患者さんに質の高いインプラント治療を提供しております。
年齢に関係なくインプラント治療をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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