クロスバイトについて
一般的に、上の歯は下の歯よりも少し外に突出ているものです。これとは反対に交叉咬合は、奥歯の噛み合わせが綺麗に噛み合わない状態を指し、すれ違い咬合や交叉咬合とも呼ばれます。
クロスバイトは、左と右の奥歯全体が歪んでいるケースもあれば、左と右どちらかのみが歪んでいるケースもあります。具体例を挙げると、右側にある上の奥歯が下の奥歯よりも中に位置している場合や、左側の奥歯のみ正しい噛み合わせや、左と右ともに上にある奥歯が下にある奥歯の内に位置しているケースもあります。
そして、左と右に限らず、一部分の歯の場所だけが歪んでいる場合もあります。
クロスバイトの治療
クロスバイトの治療の多くは、矯正で改善することが可能です。しかし重度のクロスバイトや、顎変形症と判断されたケースには、外科手術による治療が必須になることもあります。
クロスバイトの原因
クロスバイトの原因には様々なものがありますが、以下の通り3つあります。
クロスバイトの疑いを抱いたら、下記に心当たりがないかをチェックしてみるとよいでしょう。
①成長の過程による原因
十分ではない、バランスが崩れているこ顎の成長や、指しゃぶりや舌を動かす習慣、口呼吸や頬杖をする習慣です。
②外部からの衝撃による原因
顔周りに大きい衝撃を受けた際、歯の治療のための被せ物や差し歯が、ちゃんとした箇所に装着されていない
③遺伝の関係による原因
親御さんから引き継いだの骨の位置が要因
どのようにクロスバイトを改善すれば良いのだろう
①マウスピースによる改善
症状が軽いケースでは、取り外し可能で外から見ても目立ちにくいマウスピース矯正で改善できる場合があります。
②歯を抜いて調整して改善
クロスバイトの状況が重度だったり、矯正治療後に全部の歯をあごに収めることが難しいと判断された場合には、抜を歯を抜いて調整をしてから矯正をします。
そして、歯を抜いたとしても治療が困難であると判断された場合、外科手術を行う矯正も存在します。
③アゴの骨を広げて改善
矯正器具を駆使しいて上あごの骨を横方向に拡張し、歯の位置を横にスライドさせることで、正しい噛み合わせへと導きます。次の項目から、クロスバイトの治療で使用される矯正器具をご説明します。
④急速拡大装置による改善
装置に装着しているネジの作用によって、上あごの骨を横方向に拡張させます。固定されている為、自ら脱着することはできませんが、外からはあまり目立ちにくいという利点があります。
歯科医院で装置を装着した後は、専用のネジを使用して自分自身でネジを回し、骨に加わる力を徐々に上昇させます。
⑤ワイヤーを使用した改善
アゴの内面に針金の器具を装着し、ワイヤーの弾性を利用して歯を全体的に横に拡張させる方式です。こちらの方式についても、自ら脱着することはできません。
⑥拡大床による改善
装置に装着されているネジの効果により、歯自体を横に拡張させます。食べる時やブラッシングのタイミングで取り外すことが可能ですが、ワイヤーを使用した改善と比較して拡大させる力が弱いため、矯正期間が長期に亘るケースがあります。
クロスバイトを改善するために必要な期間と費用は?
治療に必要な期間の目安は、軽い場合、1〜1年半、普通〜重度の場合、2〜3年と言われています。
矯正治療は厚生労働大臣が決めている疾患に起因しているケースや外科手術を必要とする顎変形症前後の矯正治療などは保険の適用ができる場合もありますが、一般的には矯正は保険適用外で、自由診療の対象です。
また、クロスバイトの改善に必要な期間と費用については、症状の度合いや選ぶ治療法によっても異なります。まずは歯科医院に相談してみるとよいでしょう。そして、保険診療の対象になるためには、決められた機関で一通りの治療行為をする必要があります。