医院ブログ

2022.11.20更新

ゴムかけ


歯列矯正を開始してしばらく経つと、医師から「ゴムかけ」を指示されることがあります。「顎間ゴム」とも呼ばれ、特定の歯に引っ掛けて移動の微調整を行うというものです。
患者さまご自身でつけ外しをしなければならないことを考えると、不安に感じる方もいるでしょう。
ただ、ゴムかけをどのように行うかによって、治療期間は大きく左右されます。早く終わらせるコツを理解し、理想の歯並びをスムーズに手に入れましょう。
これから歯列矯正を始める予定の方は、ぜひご一読ください。

 


目的
まずは、装着する目的について詳しく説明します。


1.噛み合わせを整える
通常ゴムかけの指示を受けるのは、歯並びがある程度整って咬合の調整に入ったタイミングです。
突然言われることもあり、
「どうして今のタイミングで始めるの?」
「早く治療を終えたいのに…」
と思う患者さまも、多くいらっしゃるでしょう。
…というのも、歯を動かしたからといって、この段階で噛み合わせまでは正確に整っていません。
この時期に始めることによって、ゴムの伸び縮みする力を利用して咬合を調整するのです。
つまり見た目だけでなく、機能面も整えるということです。美しくなってきた歯列を、実用性が高いものへと導くことが可能です。


2.歯の移動をサポートする
装置ではうまく動かせなかった部分にアプローチし、移動をサポートする役割を果たします。というのも装置は、上下の歯をまとめて動かすため1本ずつの移動には不向きです。ゴムかけを行うことで、特定の歯にだけ負荷をかけて移動を促せるのです。特に重度の不正歯列の場合は、装置だけで微調整をするのが困難です。効率よく整えるために、このプロセスは必要不可欠です。

 


主な種類
歯列の状況によって、用いるゴムが異なります。
それぞれの特徴や仕組みを説明します。


2級ゴム
上顎前突(出っ歯)の場合、歯列を整えても突出した上顎をうしろへ下げない限り根本的な改善は見込めません。そこで用いられるのが、2級ゴムです。
上の犬歯周りと下の奥歯とをつなぐことによって、上の歯を後方へ動かします。突出が目立たなくなり、上下の噛み合わせのバランスが整うでしょう。


3級ゴム
下顎の方が突出している、下顎前突(受け口)の治療に用いられることが多いです。2級ゴムとは反対に、上の奥歯と下の犬歯周りとをつないで歯を動かします。
その結果、下顎がうしろへ下がって噛み合わせのバランスがよくなるでしょう。


クロスゴム
装置を使った歯列矯正では、上下の歯を別々に移動させるためズレが生じがちです。
装置での移動を試みた結果、上下の歯の側面と側面が接している場合に使用されます。
上下の歯の表面と側面とにフックを取り付け、バッテンのようになる形で引っ掛けます。ゴムの伸び縮みする力によって、噛み合わせを整えます。


垂直ゴム
前歯の咬合に不具合があり、口を閉じた際に空間ができるときに用いられます。
これまで紹介したものは左右の移動に有効でしたが、垂直ゴムに限っては上下の移動をサポートする仕組みです。うまく噛み合っていない前歯にアプローチして、微調整をします。
その名の通り、使用時は上下の歯に垂直となるよう引っ掛けるのみです。徐々に動かし、上下の空間をなくします。

 


所要期間の目安
所要期間は、歯列の状況によって大きく異なります。
移動距離が短ければ数ヶ月で終了しますが、なかなか動かない場合は1年以上かかることもあります。
1年と聞くと、気が遠くなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかしずっと装着する必要はなく、ある程度歯列が整ったところで外せます。それまでは地道に装着しなければなりませんが、治療が完了するまでつける必要はないので安心してください。

 

今回はここまでです。
仕組みや必要性、所要期間の目安など理解していただけたでしょうか?
次回も同じテーマを取り上げ、早めに外すためのポイントについて詳しく解説します。
コツをしっかりと押さえ、計画通りの治療期間で理想の歯並びを実現しましょう。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

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