突然ですが、皆さんにはコンプレックスがありますか?きっと多くの方が、身体や顔のどこかに何らかの悩みをお持ちだと思います。今回取り上げるのは、口周りのコンプレックスとして挙げられることが多い「口ゴボ」です。
口ゴボの大半は歯列矯正で改善できますが、歯列が整っていても口元が突出しているケースがあります。本記事では口ゴボになる原因や適切な治療方法、放置した場合のリスクを紹介します。
口ゴボとは?
正式には「上顎前突」、さらにわかりやすく言えば、いわゆる「出っ歯」のことを指します。歯列が整っていても乱れていても起こる症状であるため、知識がなければ見極められないことがあります。
自力で治すことは可能?
歯科医院で治療するとなると、通院の手間や費用がかかります。歯列矯正に至っては、数十万円の費用をかけて数年間通院しなければなりません。可能であれば、自宅にいながら自力で治したい方が多いのではないでしょうか?
自力で治すことは困難です
残念ながら、口ゴボは自力では治せません。口ゴボは、不正歯列や不正咬合、顎の骨格異常などにより生じるためです。ただ歯並びが整っていても、口元が突出している人がいるのは事実です。一体何が原因なのでしょうか。
考えられる5つの原因
1.上の前歯が前へ傾斜している
日本人に比較的多く見られる原因です。上の前歯が、前方へ傾斜することで口ゴボになります。歯列矯正で改善できるでしょう。
2.上顎が突出している
歯列が整っていても、上顎の骨が前へ出ていること(上顎前突症)により口ゴボになるケースがあります。歯列矯正だけでは完治できず、外科矯正が必要になる場合が多いです。症状が重度の場合は、外科的な処置が主体となるでしょう。
3.下の前歯がうしろへ傾斜している
上の歯だけでなく、下の歯が原因で起こる場合があります。そのひとつとして挙げられるのが、下の前歯のうしろへの傾斜です。このケースでは、相対的に見ると上の前歯が前へ突出しているように見えます。歯列矯正で治せる場合が多いでしょう。
4.下顎が後方にあるor下顎の方が上顎よりも小さい
こちらも前項と同じく、相対的に見て上顎が出たような状態を指します。骨格異常の一種であるため、歯列矯正だけでは改善が見込めません。外科矯正などを併用して治す必要があります。
5.鼻が極端に低いor顎がない
1~4に該当しない場合、考えられるのがこの理由です。鼻が極端に低い、あるいは顎がない場合、口ゴボが自然発生することがあります。残念ながらこのケースは、歯科治療による改善が見込めません。
放置するとどうなる?
見た目の問題が生じる
まず挙げられるのが、審美性についてです。口元が出ていると見た目の美しさに欠け、コンプレックスになる場合があります。今はマスクでの生活が定着していたため、あまり気にならないかもしれません。しかし今後は制限が緩和される可能性があり、そうなれば見た目の問題が生じるでしょう。
口腔内が乾きやすくなる
重度の口ゴボの場合、唇を完全に閉じるのが困難です。すると歯の表面や口の中が乾きやすくなり、口腔内で細菌が繁殖してしまいます。その結果むし歯や歯周病、口臭の発症リスクが高まるでしょう。
咀嚼の能力が大きく低下する
不正歯列や不正咬合が原因の口ゴボである場合、咀嚼能力が大きく低下します。食べ物をうまく咀嚼できなくなると、顎の関節、歯や歯茎に強い負担がかかってほかの病気になる可能性があるでしょう。
まとめ:口ゴボは歯列矯正で治療しましょう!
口ゴボは、残念ながら自力では治せません。だからといって放っておくと、審美性だけでなく機能性の低下も懸念されます。できるだけ早めに歯科医院を受診し、きれいな口元を手に入れましょう。専門的な知識を持った医師の診察を受け、正しい診断と最適な治療法を提案してもらうことが一番です。
一見突出が気にならない口元であっても、精密検査によって咬合異常などが見つかる場合があります。噛む力や顎の能力を低下させないためにも、歯科医院で一度診てもらうことをおすすめします。