医院ブログ

2022.09.20更新

歯科矯正


近年世界的に普及しているのが「歯科矯正用アンカースクリューを用いた治療(TAD)」です。初めに「アンカースクリュー」と呼ばれるネジを顎骨へ埋入し、その部分を固定源として歯を動かすという治療法です。
骨へ固定されたネジに力を負担させられるため、計画通りに歯を動かしやすいという点が大きなメリットです。
中には「ネジを歯茎へ埋入する」と聞いて怖いと感じた方がいるかもしれませんが、心配はご無用です。
一体どのような治療なのか、詳しく解説します。

 


歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療とは?
TAD(Temporary Anchorage Device)と呼ばれることもある治療で、「アンカースクリュー」という小さなインプラント(ネジ)を歯茎へ埋入して移動の起点にします。
通常の歯列矯正ではワイヤーをつないで歯並びを整えていくのですが、いきなり歯に力をかけると負担が大きくなります。そのため起点となる奥歯と、移動させたい歯への負荷をうまく調整しなければなりません。失敗すると思わぬ方向へ歯が移動してしまい、治療が長引いたり期待通りの結果が得られなかったりします。

 


TADが誕生した背景
この方法で治療をすると、ネジの埋入部分を起点として歯が移動します。上下左右へ動かせるため、理想の歯並びを手に入れられるのです。
従来の歯列矯正では難しかった位置への移動も、容易になります。

 


メリット
先述した通り、幅広い症例へ適用できる上に治療の確実性が高いというメリットがあります。治療期間の短縮にもつながるでしょう。
また、必要最低限の装置のみを装着するので身体的・精神的負担がかかりません。
さらに歯列矯正では抜歯を伴うケースが多いですが、非抜歯で治療できる可能性が高いといえます。症例によっては顎骨の外科手術などが必要になりますが、アンカースクリュー(ネジ)を用いれば矯正歯科の範疇で治療ができるかもしれません。
このように、数多くのメリットが得られます。


デメリット
ネジの埋入後、口腔内が不衛生な状態になると感染症を引き起こすリスクがあります。
埋入したネジが炎症によってグラつくと、再度埋め込まなければならない可能性もあるので注意してください。

 


治療の手順
1.アンカースクリュー(ネジ)の植立
麻酔後にネジを埋め込み、消毒します。術後は腫れや痛みが生じるかもしれませんが、2~3日程度で治まるので安心してください。痛みが続く場合は、処方された痛み止めを飲んで安静に過ごしましょう。
2.経過観察
埋入したネジが安定するまでに、2~3ヶ月程度かかります。特に埋入して2週間ほどは安静に過ごし、その後も経過観察を行いましょう。
3.歯の移動開始
ネジの安定を確認したら、その部分を固定源として装置を取り付けます。歯の移動を開始しますが、治療中にネジが外れたり緩んだりしたときはすぐに歯科医院へ連絡してください。別の場所へ、新たなネジを埋め込むという流れになります。
4.ネジの撤去
歯が計画通りに動いたことを確認したら、埋入したネジを取り除きます。埋入時と逆回転させるだけで簡単に抜けるので、麻酔は必要がありません。痛みもなく、1週間程度で元通りになるでしょう。

 


固定源について
歯列矯正で歯を移動させるときは、基本的に固定源が必要です。前歯から数えて6~8番目の歯(大臼歯)を固定源にするのが一般的ですが、作用・反作用の法則を考えると固定源を動かさず歯列矯正を行うことはほぼ不可能です。
そのためヘッドギアなどを使用して、固定源とする治療法も広く浸透してきました。ですが着脱可能な装置ということもあり、患者さまの協力なくしては治療が成功しません。
そこで提案したいのが、歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列矯正です。固定源が動く心配がないため、違和感なく歯を移動させられるのです。

患者さまの負担が減るだけでなく、歯科医師にとっても治療計画が立てやすくなるという利点があります。それが結果的に、治療の成功へとつながるでしょう。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.09.10更新

顎矯正手術


突然ですが、あなたは「顎矯正手術(がくきょうせいしゅじゅつ)」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
「矯正」という単語が入っていることから、歯列矯正と混同している人がいるかもしれません。
確かに治療の内容は異なり、顎骨のズレが少なければ歯列矯正のみで完結します。ですが上下の顎骨に大きなズレがある場合は、両方の治療を以て初めて整った歯並び・噛み合わせを実現できます。顔の変形やゆがみも改善させられるでしょう。


顎矯正手術を行うにあたって、咬合の調整をするのは矯正歯科の医師です。
中でも「顎口腔機能診断」を取り扱う矯正歯科は、患者さまの口の中を見れば顎矯正手術の必要性をすぐに判断できるでしょう。患者さま一人ひとりにとって、最善の方法を提案してくれるはずです。
歯並びの乱れのほか、咬合や顎の歪みに心当たりがある方は、ぜひ一度、額口腔機能診断を取り扱う医療機関を受診してみてください。

 


では顎矯正手術が必要であるにも関わらず、歯列矯正のみで歯並びを整えようとするとどうなるのでしょうか?
歯だけを無理に噛み合わせようとすると、顎や歯の関節に大きな負担をかけることになります。
そもそも歯は「骨に刺さっている杭」のようなものですから、ズレた部分に無理に並べようとすると不安定な状態となります。整えた直後はよいかもしれませんが、長期的に見ると支障をきたす恐れがあります。
報告や論文を見ても、実際に受け口(しゃくれ)の症状がある方で、8020(80歳時点で20本の健康な歯を残そうとする運動)を実現している方はほぼいません。
健康な歯を少しでも長持ちさせるには、顎矯正手術の必要性を検討した方がよいでしょう。
とはいえどのような治療も、メリットばかりが得られるわけではありません。
その名の通り「手術」を伴うため、合併症を患う可能性もゼロとはいえないでしょう。
メリットとデメリットの両方を理解した上で、治療を慎重に検討してください。不明点があれば、その都度医師に確認して明確にすることが大切です。
そういった意味でも、実績が豊富で高い技術を持った医師に診てもらうことをおすすめします。

 


美容外科とは何が違う?

顎矯正手術は顔全体のバランスを整える
顔の中心ともいえる「上顎骨」の、3次元的なズレを整えることで顔全体のバランスを修正します。
顔のゆがみや長さ、丸さなどが改善できるでしょう。また顎の位置を整えることで、咬合や顔の形状を改善することも可能です。


美容外科は顔のパーツ一つひとつを修正する
パーツ一つひとつの改善を行うのが、美容外科です。顔のシワやシミ、目や鼻の形などの修正を得意とする美容外科が多く、細部の修正は顎矯正手術では実現できません。ほとんどの手術が、入院いらずでできる点も大きな魅力です。近年はボトックス注射やヒアルロン注射も普及しており、これらも数時間あれば終了します。薬が効くのは一定期間だけですので、気に入った場合は定期的に受けるとよいでしょう。
両者の決定的な違いは、修正するのが骨格であるか体の表層であるかという点です。根本原因が骨格にある場合は、顎矯正手術が必要となります。
何度も治療を重ねなくてもすむように、歯科医院や美容外科で事前カウンセリングを受けて慎重に判断しましょう。治療に関して希望やわからないことがあれば、その都度確認して明確にすることが大切です。

 


岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科でも歯並びや噛み合わせ、顎骨のゆがみといった様々な症状を改善させる治療を手掛けています。何かお困りのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.08.30更新

歯の移植

 


あなたは「歯の移植」というフレーズを耳にしたことがありますか?
補綴治療には入れ歯やブリッジといった複数の選択肢がありますが、中にはほかの歯へ負担をかける治療法も存在します。
そこで今回は、周囲の歯への影響が少ない「歯の移植」と「インプラント」について詳しく解説します。
歯を失くし、補綴治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。


1.歯の移植とは?
歯周病や不慮の事故などで歯を失くした場合は、入れ歯・ブリッジ・インプラントのいずれかで歯を補うのが一般的です。
しかし、ある一定の条件を満たした場合のみ「歯の移植」が可能です。
歯の移植とは抜歯した患者さまご自身の歯を、欠損歯の顎骨へ移植することです。使用するのは健康な親知らずがほとんどですが、位置がずれるなどして歯としての機能を失っている歯を用いることもあります。
「親知らずは全部抜歯した」
「歯並びが整っている場合、どの歯を使えばよいのか」
このようなケースでは、残念ながら適用が困難です。また歯根が大きく曲がっていたり、大きさがあまりにも合わなかったりする場合もお断りすることがあります。必ずしもすべての患者さまに適用できるわけではない、ということを知っておいてください。


2.メリットとデメリット
2-1.メリット
① 安全性が比較的高い
患者さまご自身の歯を用いるため、安全性が比較的高いです。治療の際に、アレルギー反応を起こす心配がないでしょう。


② 機能していない歯を有効利用できる
歯並びなどの問題で機能していない歯を、移植することによって有効利用できます。


③ 治療費を抑えられる
治療法を決めるにあたって、費用が気になる方も多いはずです。歯の移植は、抜歯した親知らずを同じ日に移植する場合に保険が適用できます。そのほかの症例であっても、材料費などがほぼかからないため、ほかの補綴治療に比べて費用を抑えることが可能です。


2-2.デメリット
① 移植可能な歯が必要
先述した通り、歯の移植に使える歯は限られます。親知らずや、機能していない歯がない場合は治療が難しいでしょう。


② 歯根の形状や大きさによっては難しいケースもある
移植に使えそうな歯があったとしても、歯根の形状や大きさが合わない場合は使用できません。歯根が大きく曲がっていることで、抜歯が難しく治療を断れるケースもあるでしょう。


③ 移植した歯が思い通りに結合しない場合がある
移植後は、接着剤を用いて隣の歯と固定します。2ヶ月程度経過観察を行い、骨とうまく結合するのを待つことになります。普段通りの生活をしていれば問題ありませんが、強い負荷をかけたり、口腔ケアを怠って不潔な状態になったりすると結合しないことがあるでしょう。


④ 骨と歯が癒着する場合がある
移植した歯が骨にうまく結合した場合でも、両者が癒着して一体化するケースがあります。歯根破折を起こす可能性もあるため、何らかの処置が必要です。


3.歯を移植する手順


歯の移植は、基本的に次の手順で行います。

1.レントゲンによる診査と診断
2.治療計画の策定と説明
3. 移植手術
4. 経過観察(2週間程度)
5. 根管治療および根管充填
6. 経過観察
7. 補綴物の選択および型取り
8. 装着と定期的なメンテナンス


この中で最も重要なのは、初めの診査と診断です。移植できる歯があるのか、あるとすればどの歯なのかということを、慎重に診た上で結果をお話しします。
移植に興味をお持ちの方は、かかりつけ医に一度相談してみてください。


4.インプラントとは?
歯を失くした箇所の顎骨へ、チタン製のインプラント体を埋入して人工歯の被せ物をする治療です。
色々な大きさのものがあるため、欠損歯の位置によって治療の可否が決まることはありません。


5.メリットとデメリット

5-1.メリット
① 最適な大きさを選べる
色々な大きさをご用意しているため、患者さま一人ひとりに合ったサイズのものを選んで使用できます。
② 移植に比べて長持ちしやすい
インプラントは、移植のように骨が一体化する心配がありません。そのため、長持ちしやすいといえるでしょう。


5-2.デメリット
① 治療費が高額
基本的に保険が適用できないため、費用が高額になります。1本あたり数十万円が相場であるため、予算に限りがある方には難しいでしょう。
② ごくまれに金属アレルギーを発症する
インプラント体に使用されているチタンは、人体への親和性が高く、アレルギーを起こす可能性は低いとされています。その理由から、ほかの医療器具にも用いられることが多い金属です。

しかし、アレルギーを発症する可能性がゼロであるとは言い切れません。ごくまれに、チタンによる金属アレルギーを発症したという例が報告されています。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.08.20更新

歯抜け

 

 


前回は、歯を失って放置した場合のリスクについてお伝えしました。機能性だけでなく、審美性の問題も生じることに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
今回は歯を補うための「補綴治療」の選択肢と、その内容を詳しく解説します。


1.補綴治療の選択肢
歯を失くした場合の治療法として、現在「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つが挙げられます。
特徴や、メリット・デメリットを1つずつ解説します。


1.入れ歯(義歯)
残っている健康な歯に金属製のバネを引っかけ、人工的な歯で補う治療法です。材質によっては保険が適用できるため、使える費用に予算がある方も気軽に受けられます。

また入れ歯は、取り外して磨くことが可能です。食べカスが詰まっても、比較的容易に取り除けるので口腔内の清潔を維持できます。家族が毎日手入れしている姿を、見たことがある方もいらっしゃるはずです。
入れ歯は、ブリッジのように周りの健康な歯を削る必要がありません。しかし、バネで歯が締め付けられて違和感や噛みにくさを感じる場合があります。ほかにも不必要にズレたり外れたりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。場合によっては痛みが出ることもあるでしょう。


さらに入れ歯を長年使用していると、顎骨に噛む刺激が行き届かず、骨がやせる原因になります。顎骨は顔の土台となるため、見た目に変化を及ぼすでしょう。口の周辺にシワが入り、皮膚がたるんだりほうれい線ができたりします。老けた印象を与えるかもしれませんね。骨がやせると内部の血管や神経が骨の表面に現れ、ものを噛んだときに痛みが出るケースも報告されています。
日々の手入れについては、食後に取り外してブラッシングを行うのが鉄則です。装着したまま磨くよりは簡単ですが、ご自身の歯と入れ歯とで2回ブラッシングをしなければなりません。毎日のこととなると、その点が面倒だと感じる方もいるでしょう。


2.ブリッジ
ブリッジは、日本語に訳すと「橋」という意味ですよね。その名の通り、失くした歯の左右の歯に人工歯を架ける(掛ける)治療のことをいいます。人工歯はがっちりと固定するので、硬いものを噛んでもズレたり外れたりする心配がありません。両隣の歯が力を受け止め、自然な噛み心地を実現できます。材質によっては全額自己負担となりますが、保険が適用できるものもあります。
一方でブリッジには、土台となる左右の歯を大きく削らなければならないという難点があります。健康な歯を削るということに、抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
ちなみにブリッジは、両隣に歯が残っていることが前提ですから最奥の歯には適用できません。手前の歯2本を土台とする方法(延長ブリッジ)もありますが、歯への負担を考慮すると得策とはいえません。


また、土台となる歯が細菌感染したり、過度な負担がかかってダメージを受けたりすることも懸念されます。
さらに、どれほど精巧なブリッジであっても、土台の歯と人工歯との間にはわずかな隙間が生じています。そこから細菌が侵入すると、むし歯になる恐れがあるでしょう。生活しているうちに、少しずつ隙間が生じる可能性もゼロではありません。奥歯の場合はブラッシングしにくく、歯間ブラシも使えないためより不衛生になります。
今までは健康であった歯が、ブリッジ+悪条件の重なりによって抜くことになれば本末転倒ですよね。治療が終了したあと、いかに丁寧なケアをするかという点がカギになります。


インプラント
顎骨へ埋入する、チタン製の「インプラント体」を土台にして人工歯を固定する治療です。チタンは人体になじみやすいため、骨の成長を促しつつ結合するという利点があります。チタンはほかの医療機具にも使用されている金属で、治療をきっかけにアレルギーを発症した例はほぼ報告されていません(心配な方にはパッチテストをおすすめしています)。
以上の仕組みにより顎骨にがっちりと固定されるため、天然歯と遜色ない噛み心地を手に入れられます。治療をするにあたってほかの歯を削ることもないので、健康な歯を残せる点もメリットといえるでしょう。

 

また欠損歯の本数や位置に制限もないため、理想の結果となるための治療計画を策定できます。入れ歯のように、骨がやせて見た目に影響を及ぼす心配もありません。
審美性を重視する方や、天然歯のような噛み心地を求める方に適した方法です。
ただ、インプラントは外科手術を伴う治療法です。治療期間や費用も、ほかの方法に比べて長くなったり高額になったりするでしょう。

また顎骨がやせて骨量が不足している方や、糖尿病などの既往歴がある方はすぐに治療を開始できません。カウンセリングの際に状況をお伺いしながら、治療の可否や開始するタイミングをご提案できればと思います。

 

まとめ
補綴治療には、大きく分けて3つの選択肢があります。それぞれ特徴が異なりますので、治療後に後悔しないよう慎重に比較検討しましょう。
ご自身で決断できない場合は、かかりつけ医に一度相談してはいかがでしょうか。

 

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.08.10更新

歯抜け 


「歯周病などで歯を失くしたら、どうすればいいですか?」
「1本くらいであれば、生活に支障をきたさないので様子を見ても構いませんか?」
来院された方から、このような質問を受けることがあります。
むし歯や歯周病のほか、不慮の事故や転倒などで突然歯を失くす方もいるでしょう。


2018年に厚生労働省が実施した調査では、歯周病で歯を失う方が37%と最も多く、次いでむし歯が29%、破折が18%という結果でした。破折は、抜髄(神経の除去)によって歯が脆くなることで起こります。

つまりむし歯由来であるとみなされ、むし歯が原因で歯を失う方は47%と、半数近くにのぼることがわかります。


あなたは、歯を失ったまま放置していませんか?
たとえ1本だけであっても、失うことによって今まで保たれていたバランスが崩れます。
審美性や機能性に問題がないと思っていても、のちのちトラブルを起こす可能性があるため早急な処置が必要です。
具体的には、次のような問題が起こりやすくなります。


1.歯並びや噛み合わせの悪化
歯は、すべての歯が揃って初めてバランスを保てるようになります。そのため1本でも歯を失うと、歯並びや噛み合わせに問題が生じるのです。

後方の歯が倒れ込んできたり、噛み合わせの歯が伸びてきたりと、挙げられるトラブルはさまざまです。放置する期間が長くなればなるほど、バランスが崩れて治療が困難になるでしょう。


2.周囲の歯にもトラブルが起こります
歯を失くすと一方の側のみで噛むようになり、噛める側の歯に大きな負担がかかります。その状態が続けば、特定の歯だけが傷んで最終的に失うでしょう。
初めは失った歯が1本であっても、その歯が原因となり周囲の歯をダメにしてしまう可能性があるのです。


3.顎関節症の原因になる
片側のみで噛むことにより、ダメージを受けるのは歯だけではありません。使用する筋肉が偏ってしまい、顎関節症を引き起こす恐れがあるのです。顎の痛みや頭痛、口を開きにくくなるといった症状が生じるでしょう。さらに、噛み合わせの乱れも懸念されます。

起床時などに、普段と感覚が違うと思ったことはありませんか?口を開けにくい、顎がなんとなく痛いといった症状がある場合、顎が大きなダメージを受けているかもしれません。


4.顎の骨が吸収してしまう
歯を失くした側で噛まなくなると、刺激がなくなり顎骨吸収が起こります。のちのちインプラントを希望しても、骨がやせているため顎骨不足ですぐに治療できません。造成術によって増骨処置をとることも可能ですが、症例によっては断念せざるを得ないケースもあります。
治療の選択肢を狭めないためにも、早めに受診しましょう。


5.審美性の問題が起こりうる
たとえ1本であっても、歯を失うと見た目の問題が生じます。前歯はもちろんのこと、奥歯であっても笑ったときなどに何らかの問題が起こるかもしれません。
また奥歯を失くした状態で長期間放置すると、食事の際に前歯ばかりを使うようになって大きな負担がかかります。その結果、前歯が突出する「フレアアウト」を引き起こすでしょう。
さらに一方のみで噛むようになると、使わなくなった側の筋肉が衰えて顔のたるみやほうれい線の発生につながります。見た目のトラブルが起きて取り返しがつかなくなる前に、歯科医院で適切な処置を受けましょう。


6.早めの受診が一番です!
歯を失い、放置する期間が長くなればなるほど治療が困難になります。
不便ではないからといって、そのまま生活し続けるのは厳禁です。機能性や審美性の問題で取り返しがつかなくなる前に、信頼できる歯科医師のもとで適切な治療を受けましょう。

 


岐阜県内で歯科医院をお探しの方は、岐阜駅前歯科クリニックへご相談ください。

 

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.07.30更新

小児矯正2

 

前回紹介した通り、早期に歯並びを整えることには数多くのメリットがあります。しかし、少なからずデメリットも存在します。両方を理解した上で、治療を検討しましょう。

 


早期の治療をする場合の懸念点
子どものうちに歯並びを整える場合に、挙げられるデメリットは次の3点です。


1.治療中はむし歯になりやすい
2.トータルで見ると長期的な治療になる
3.子どもの協力を得られない可能性がある


それぞれ詳しく解説します。

 


1.治療中はむし歯になりやすい
装置を用いて治療する場合、日々の歯磨きがしにくくなります。特に装置と歯の間は食べかすが挟まりやすく、適当に磨いているとむし歯を引き起こしてしまうでしょう。
治療中は普段以上に丁寧にブラッシングを行い、必要に応じて親御さまが仕上げ磨きをすることが大切です(治療中であるかどうかに関わらず、基本的に8歳頃までは仕上げ磨きをしてあげましょう)。


2.トータルで見ると長期的な治療になる
子どものうちに治療を始める場合、第1期治療と第2期治療に分けて行うのが一般的です。
第1期治療から始めると経過観察の期間を必要とするため、トータルの治療期間が長くなる傾向にあります。装置をつけて生活する期間も長くなるため、少なからずお子様への精神的な負担となるでしょう。


3.子どもの協力を得られない可能性がある
お子さまが治療を受ける場合であっても、判断をするのは基本的に親御さまです。また低年齢のお子さまであれば、自宅での親御さまの協力は欠かせません。
とはいえ、治療を受けるのはお子さまです。お子さま自身が非協力的であると、どれだけ効果が見込める治療であっても計画通りに進みません。
子どもが矯正をする場合、親御様の意見が大きい場合が多いですよ。そのため、矯正をする子ども本人が協力的になるとは限りません。装置をつけたときの痛みや違和感によるストレスを感じさせないよう、親御さまが全面的に協力することが必要不可欠です。
お子さまが治療をどうしても嫌がる場合は、治療開始のタイミングを医師と相談するのもひとつの選択肢となります。

 


早期の治療で後悔しないためのポイント
治療によってお子さまの歯並びが整っても、知らず知らずのうちに歯が元の位置へ戻っていることがあります。
後戻りが起こる一番の原因は、ずばり「メンテナンス不足」です。通常は歯並びが整ったあとに、マウスピースなどを装着して後戻りを防ぐ期間(保定期間)が設けられます。しかし患者様の中には、歯並びが整ったからといって装置を自己判断でつけなくなる方がいらっしゃるのです。
これでは、せっかく動かした歯もすぐに戻ってしまいます。メンテナンスを怠らず、歯科医師の指示に従って装置の装着・定期的な通院を行うことが大切です。


歯科医院を選ぶときのポイント
歯並びを整える治療は、ほかの治療に比べて長期間に及びます。歯科医院を選ぶときは、次の3点に注意しましょう。


1.治療をするかしないかに関わらず、大まかに治療の説明をしてくれる
カウンセリングの段階で、抜歯の可能性や治療期間の目安を説明してくれる歯科医院がおすすめです。治療費用についても、矯正治療は基本的に保険適用外です。費用の概算なども事前に説明を受け、納得した上で治療を行うことが大切です。


2.治療前に資料を準備し、その内容に基づいて診断・説明をしてくれる
矯正治療は内容が専門的であるため、口頭の簡単な説明のみではなかなか理解できません。事前に資料を用意してくれて、その内容に基づいた検査や診断をしてくれる歯科医院を選びましょう。治療方針や治療計画についても、事前に説明してくれる歯科医院であれば親切です。不安なことがあれば、カウンセリングの段階で相談しましょう。


3.小児科医あるいは矯正歯科の専門医・認定医である
お子さまの歯科治療の経験・実績が豊富なのは、小児科医あるいは矯正歯科の専門医・認定医です。お子さまの扱いに慣れている医師やスタッフも多く、安心して治療を任せられるでしょう。

 


お子さまの歯並びや噛み合わせに関する相談は歯科医院へ!
早期の矯正治療には、数多くのメリットがあります。子どもの顎の発達を利用して行える治療もありますので、お子さまの歯並びや噛み合わせが心配な親御さまは、これを機に治療を検討してはいかがでしょうか。
ただ矯正治療には、少なからずデメリットが存在します。親御さまの判断だけでなく、お子さまにも理解を得た上で歯科医院を受診しましょう。
将来後悔しないための選択をしてくださいね。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.07.20更新

小児矯正


お子さまの歯並びに対して、疑問や悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?いつから治療を始めるべきか、ご家庭ではなかなか判断できないと思います。
そこで今回は、小児矯正の必要性や早期に治療するメリットを解説します。成長期が終わると適用できない治療もありますので、小児矯正を検討中の親御さまはぜひ参考にしてください。

 


小児矯正の必要性について
お子さまの滑舌や歯並びが気になる方は、歯科医院の受診をおすすめします。また小児矯正が必要かどうかに関わらず、お子さまの口周りについてお悩みのことがあれば、一度歯科医師に相談しましょう。
小児矯正は永久歯に生え変わる前にスタートできますし、適用できる時期が限られる治療法(非抜歯でできる歯列矯正など)も存在します。治療の幅を狭めないためにも、早めに受診しましょう。治療開始の目安は通常6歳頃ですが、当院では患者さま一人ひとりにとっての最適なタイミングをご提案いたします。


歯並びを整えた方がよい症例とは?
次の4つの症例に該当する場合、当院では治療をおすすめしています。


1.反対咬合(受け口)
2.開咬(オープンバイト)
3.上顎前突(出っ歯)
4.乱杭歯(叢生/八重歯)


それぞれ詳しく解説します。

 


1.反対咬合(受け口)
下の歯が前方に突出した状態を、反対咬合と呼びます。遺伝もしくは悪習癖が原因で起こる症状です。見た目の問題のほか、顎関節へ負担がかかったり、磨き残しによるむし歯リスクが増大したりします。


開咬(オープンバイト)
前歯の上下がうまく噛み合わない状態を、開咬といいます。食事の際にうまく噛み切れなかったり、発音がしにくくなったりします。放置すると、顎関節症を引き起こす可能性もあり危険です。


上顎前突(出っ歯)
上の前歯が前方に傾いた状態を、上顎前突といいます。口呼吸になることが多いため、口の中や歯の表面が乾いてむし歯や歯周病にかかりやすい口腔環境となるでしょう。お子さまの場合、平常時に口がポカンと空いているのが特徴です。


乱杭歯(叢生/八重歯)
乱杭歯は、歯がデコボコになった状態のことです。磨き残しが生じやすいため、放っておくとむし歯や歯周病になるリスクが高まるでしょう。

 


早期の治療をおすすめする理由
「子どもに早期から治療をさせるのはかわいそう…」
このような気持ちから、治療に踏み切れない親御さまは多いはずです。そこで、早期の治療で得られるメリットを5つ紹介します。


1.発音がスムーズになる
歯並びを整えることで滑舌がよくなり、発音がスムーズになります。
現在お子さまは、スムーズな発音ができていますか?サ行やタ行の発音が苦手、あるいは全体的に滑舌が悪い場合、歯並びに問題があるかもしれません。


2.お口の健康を維持しやすくなる
不正歯列の種類や程度によっては、食べかすが挟まりやすかったり磨き残しが生じやすくなったりします。するとブラッシングをしても汚れを十分に落としきれず、むし歯や歯周病を引き起こす可能性が高くなるのです。
歯列を整えることで歯磨きがしやすくなり、お口の中の清潔を維持できるでしょう。


3.コンプレックスの解消につながる
重度の不正歯列である場合、クラスメイトにからかわれるなどしてコンプレックスになる可能性があります。精神的な負担を軽減させるためにも、早めの治療は有効といえるでしょう。キレイな歯並びを手に入れることが、お子さま自身の自信へとつながります。


4.顎の偏りや歪みを軽減できる場合がある
顎が発達する時期に不正歯列や不正咬合を放置していると、偏ったり歪んだりしたままの状態で成長する可能性があります。結果的に、顎や輪郭が変形して非対称の見た目になってしまうでしょう。顎の歪みは見た目だけでなく、背中や首の筋肉を緊張させて全身へ負担をかけるリスクがあり危険です。早期の治療は、全身を健康に保つためにも非常に重要なのです。


5.将来的に非抜歯で歯列矯正を行えるケースがある
永久歯が生え揃ってから治療を始める場合、抜歯をして歯を並べるためのスペースを確保しなければなりません。顎が発達を終えていない時期に治療をすることで、顎の成長を促しながら歯を整えられます。将来的に再度歯列矯正の必要が生じても、非抜歯で治療できる可能性が高くなるでしょう。

 

 

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.07.10更新

矯正男性


突然ですが、皆さんにはコンプレックスがありますか?きっと多くの方が、身体や顔のどこかに何らかの悩みをお持ちだと思います。今回取り上げるのは、口周りのコンプレックスとして挙げられることが多い「口ゴボ」です。

口ゴボの大半は歯列矯正で改善できますが、歯列が整っていても口元が突出しているケースがあります。本記事では口ゴボになる原因や適切な治療方法、放置した場合のリスクを紹介します。

 


口ゴボとは?
正式には「上顎前突」、さらにわかりやすく言えば、いわゆる「出っ歯」のことを指します。歯列が整っていても乱れていても起こる症状であるため、知識がなければ見極められないことがあります。


自力で治すことは可能?
歯科医院で治療するとなると、通院の手間や費用がかかります。歯列矯正に至っては、数十万円の費用をかけて数年間通院しなければなりません。可能であれば、自宅にいながら自力で治したい方が多いのではないでしょうか?

 

自力で治すことは困難です
残念ながら、口ゴボは自力では治せません。口ゴボは、不正歯列や不正咬合、顎の骨格異常などにより生じるためです。ただ歯並びが整っていても、口元が突出している人がいるのは事実です。一体何が原因なのでしょうか。

 


考えられる5つの原因


1.上の前歯が前へ傾斜している
日本人に比較的多く見られる原因です。上の前歯が、前方へ傾斜することで口ゴボになります。歯列矯正で改善できるでしょう。


2.上顎が突出している
歯列が整っていても、上顎の骨が前へ出ていること(上顎前突症)により口ゴボになるケースがあります。歯列矯正だけでは完治できず、外科矯正が必要になる場合が多いです。症状が重度の場合は、外科的な処置が主体となるでしょう。


3.下の前歯がうしろへ傾斜している
上の歯だけでなく、下の歯が原因で起こる場合があります。そのひとつとして挙げられるのが、下の前歯のうしろへの傾斜です。このケースでは、相対的に見ると上の前歯が前へ突出しているように見えます。歯列矯正で治せる場合が多いでしょう。


4.下顎が後方にあるor下顎の方が上顎よりも小さい
こちらも前項と同じく、相対的に見て上顎が出たような状態を指します。骨格異常の一種であるため、歯列矯正だけでは改善が見込めません。外科矯正などを併用して治す必要があります。


5.鼻が極端に低いor顎がない
1~4に該当しない場合、考えられるのがこの理由です。鼻が極端に低い、あるいは顎がない場合、口ゴボが自然発生することがあります。残念ながらこのケースは、歯科治療による改善が見込めません。

 


放置するとどうなる?


見た目の問題が生じる
まず挙げられるのが、審美性についてです。口元が出ていると見た目の美しさに欠け、コンプレックスになる場合があります。今はマスクでの生活が定着していたため、あまり気にならないかもしれません。しかし今後は制限が緩和される可能性があり、そうなれば見た目の問題が生じるでしょう。


口腔内が乾きやすくなる
重度の口ゴボの場合、唇を完全に閉じるのが困難です。すると歯の表面や口の中が乾きやすくなり、口腔内で細菌が繁殖してしまいます。その結果むし歯や歯周病、口臭の発症リスクが高まるでしょう。


咀嚼の能力が大きく低下する
不正歯列や不正咬合が原因の口ゴボである場合、咀嚼能力が大きく低下します。食べ物をうまく咀嚼できなくなると、顎の関節、歯や歯茎に強い負担がかかってほかの病気になる可能性があるでしょう。

 


まとめ:口ゴボは歯列矯正で治療しましょう!
口ゴボは、残念ながら自力では治せません。だからといって放っておくと、審美性だけでなく機能性の低下も懸念されます。できるだけ早めに歯科医院を受診し、きれいな口元を手に入れましょう。専門的な知識を持った医師の診察を受け、正しい診断と最適な治療法を提案してもらうことが一番です。
一見突出が気にならない口元であっても、精密検査によって咬合異常などが見つかる場合があります。噛む力や顎の能力を低下させないためにも、歯科医院で一度診てもらうことをおすすめします。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.06.30更新

妊婦

 

妊娠中はホルモンのバランスなどが変化するため、今までに経験のなかったことが起こり得ます。歯も例外ではありません。急に歯が痛くなったり、むし歯が増えたりすることがあります。
そこで今回は、妊娠中の歯科治療について紹介します。ご自身もしくは周りに妊婦さんがいらっしゃる方は、本記事をぜひ参考にしてください。

●妊娠すると口腔トラブルが起こりやすくなる?
突然ですが「一子を得ると一歯を失う」という言葉をご存知でしょうか?意味はその文字の通りで、妊娠や出産を機に歯のトラブルが起こるというものです。あくまで迷信ですが、妊娠中は女性ホルモンが増加することを考えると、あながち間違っているとは言えません。女性ホルモンの急激な増加により、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなります。また悪阻(つわり)で嘔吐や食に対する嗜好の変化が生じ、歯磨きの階数が減ったり食事回数が増えたりする方もいらっしゃいます。これも、むし歯や歯周病を引き起こす要因の一つです。


●妊娠中の歯科治療
妊婦さんであるかどうかに関わらず、初期段階のむし歯や歯周病にはなかなかご自身で気付けません。しかし、症状によっては胎児に影響を与えることもあるため注意が必要です。また出産直後は育児に追われることが多く、治療のための時間を割くのが難しくなります。
妊娠中に歯科治療や検診を積極的に受診し、お口の中を清潔に保ちましょう。自治体によっては歯科検診の無料券が付与されますので、それを利用して受けるとよいでしょう。
気になる症状が特になく、急がないようであれば安定期に受診するのがおすすめです。初期は悪阻が起こりやすく、お腹が大きくなる後期は、診察時に横になることが難しくなるためです。体調に問題がない場合は、スケジュールの都合を見ながら受診してください。


●妊娠初期(~15週)
妊娠4〜8週までは母体や胎児が色々な影響を受けやすく、特に慎重に取り組まなければなりません。歯の痛みや歯肉の腫れがあればひとまず応急処置を行い、安定期に突入するまで経過観察をします。
重度の悪阻などで歯磨きが難しい場合は、体調がよいタイミングでサッとブラッシングをしましょう。食後にうがいをし、口腔内に汚れを残さないよう努めるだけでも違います。またヘッドが小さめの歯ブラシや、無香料の歯磨き粉を使用するのもおすすめです。加えて、ダラダラと間食しないことを徹底してください。


●妊娠中期(16〜27週)
「安定期」と呼ばれ始めるのが、妊娠16週です。胎盤によって胎児が安定するため、歯科治療が悪影響を及ぼす心配はないでしょう。歯科治療における局所麻酔や投薬、レントゲン撮影なども原則問題ありません。
レントゲン撮影に関して心配される方がいらっしゃいますが、歯科医院で用いられるX線撮影は腹部から離れたところで行われます。放射線が胎児に影響することはほぼありませんのでご安心ください。必要に応じてレントゲン撮影を行い、正しい診断を受けましょう。
また投薬については、一部のものを除いて服用できます。ペニシリン系やセフェム系の抗生物質、アセトアミノフェンやカロナールなどの痛み止めは安全であると報告されています。
さらに麻酔についても、歯科医院では局所麻酔を使用するため胎児に薬剤が届くことはありません。また局所麻酔に使われる「キシロカイン」は、無痛分娩の際にも用いられる薬剤です。母子ともに、危険性がないことが報告されていますのでご安心ください。
治療を避けて痛みや腫れを我慢すると、母子に体の負担や精神的なストレスを与えます。早めに治療を行い、万全の体制で出産を迎えましょう。


●妊娠後期(28週~)
妊娠後期はお腹が大きくなるため、診療用の椅子へ横になることが難しくなります。無理な体勢で長時間いると、早産などのリスクも生じて危険です。治療は応急処置にとどめ、出産後にタイミングを見て治療を受けてください。
ただ現代の医療では、歯周病と早産・低体重児の出産リスクとの関連が報告されています。歯周病の妊婦さんから低体重児が生まれる可能性は「健常者の4.3倍程度」とされているため、症状によっては妊娠中に正しく治療することが大切です。

 


今回は、妊娠中の歯科治療についてお話ししました。
治療は安定期に済ませるのがベストですが、症状によっては早急に治療を受けた方がよい場合があります。ご本人はもちろん、胎児に負担をかけないためにも、何らかの異変を感じたときは歯科医院を早めに受診しましょう。
また日頃から定期的に歯科検診を受け、常に健康な状態で過ごすことが大切です。

 

 

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

2022.06.20更新

親子で歯医者の説明 

 

歯列矯正に年齢制限はありません。基本的に子どもからお年寄りまで、みなさま治療を受けられます。治療の時期に応じて「小児矯正」と「成人矯正」の2種類に分類されますが、知っておいてほしいのは、前者はすべてのお子さまが受けられるわけではないことです。

顎骨の成長が終わった段階で小児矯正を始めても、十分な効果が見込めません。治療の際に顎や骨の成長を利用できないと判断した場合は、小児矯正が難しいと考えておいてください。
顎が発達する年齢の目安は、次の通りです。上下の顎で、成長のペースが若干異なります。


【上顎】
10歳頃までに大半が成長し、成人と同じくらいの大きさになっています。その後は成人を目安に、緩やかに発育します。


【下顎】
大きく成長するのは10歳頃までですが、12歳頃にも若干の成長が見られます。その後は成人を目安に、緩やかに発育します。
成長のスピードや度合いには個人差があるため、一つの目安として知っておいてください。顎の成長を利用して歯並びを整える場合は、小学生頃までに行うのがよいでしょう。


小学生頃を目安にまでに顎を広げた方がよい理由
一昔前に比べて、生え変わる永久歯の大きさが徐々に大きくなっています。そのため乱れのない歯並びにするためには、永久歯が真っ直ぐに生えるためのスペースが必要です。
その具体的な方法として挙げられるのが「顎を拡げる」というものです。例えば「受け口(反対咬合)」のお子さまの場合、特徴として下顎の突出が見られます。成長が完了する前に、上下の顎のバランスを整える必要があるでしょう。
なお成人後では、顎の成長がすでに完了しているため、治療で顎を拡げることは困難です。そのため抜歯が必要になったり、顎骨を切る外科手術を伴ったりするケースが多くなるでしょう。


▼小児矯正とは?

●主な対象年齢
厳密なきまりはありませんが、主な対象年齢は3~15歳です。これは顎骨や歯列の発育に関する異常の改善を期待できるのが、「乳歯列が完成してから顎骨の発育を終えるまで」とされていることが理由です。
「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」とがあり、どちらも中学生頃には完了させるのがよいとされています。


●Ⅰ期治療とⅡ期治療の違いとは?
Ⅰ期治療を行う、主な年齢の目安は3~12歳頃です。顎骨の正しい成長を促すことが大きな目的で、顎骨の幅を拡げる「床矯正」を行うのが一般的です。
中には「歯列矯正」と聞いて、マウスピースやワイヤー装置を用いて歯列を整える印象の強い方がいらっしゃるかもしれません。しかしそれは、あくまで成人矯正の話です。小児矯正で歯列を細かく整えることは、まずないと言ってよいでしょう。
また12歳頃を過ぎて受けるのが、Ⅱ期治療です。マウスピースやマルチブラケット型の装置を用いることが多く、不正歯列にアプローチして細部の乱れを整えます。成人矯正とほぼ変わらないと思ってよいでしょう。
ただ成人矯正と違うのは「12~15歳頃であれば、顎骨の成長を利用して治療できる場合がある」という点です。発育のペースには個人差があるため必ずできるとは言い切れませんが、10代前半~半ば頃までは利用できる可能性が高いでしょう。
詳しくは、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。


▼成人矯正とは?

●年齢制限はある?
成人矯正には年齢制限が設けられておらず、50~60代頃に治療を開始される方も多くいらっしゃいます。「この年齢だから、今から始めても遅いかな…」といった心配はご無用ですので、安心してください。年齢を理由に治療を断念せず、まずは一度かかりつけの歯科医院で相談しましょう。
ただし、顎骨の状態や残存歯の本数によっては治療が難しい場合もあります。また顎骨の成長が未完了であるお子さまなどは、成人矯正で対応できない場合もあるため注意してください。

 


今回は「小児矯正」と「成人矯正」について取り上げ、特徴や違いについて解説しました。名称だけを見ると「小児矯正は20歳まで、成人矯正は20歳以降にできる治療」だと思われがちですが、そのような分類ではありません。

3歳未満で治療を始めるケースはごく少数ですし、成人間近で顎を拡げることは難しいでしょう。治療の目的や手順などもそれぞれ異なるため、よく理解した上で治療を検討することが大切です。
ご自身やお子さまの歯並びにお悩みの方がいらっしゃいましたら、歯科医院の早めの受診をおすすめします。
当院でも年齢や症例を問わず、不正歯列や不正咬合に関するご相談を承っています。何かお困りのことがございましたら、静岡駅前歯科へご相談ください。カウンセリングを行った上で、最適な治療方法をご提案いたします。

投稿者: 岐阜駅前歯科クリニック矯正歯科

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