子どもの歯の矯正を始めるタイミング
2022.06.10更新
当院では親御さまから、お子さまの歯列矯正のタイミングについて尋ねられることがしばしばあります。お子さまが大人になって困らないよう、早めに歯並びを整えたいと考えるのは親として自然なことであると考えます。
そこで今回は、小児矯正を始める最適なタイミングについて解説します。メリットやデメリットも併せて解説しますので、小児矯正を検討中の親御さまはぜひご覧ください。
小児矯正の最適な時期や目標
小児矯正(Ⅰ期治療)を行うタイミングは、一般的に7歳前後とされています。この頃に6歳臼歯(初めての永久歯)が萌出し、上下の前歯が生え変わるためです。
この頃は大人に比べて骨がまだ軟らかいため、比較的容易に顎の大きさや位置を整えたり成長を促したりできます。また期間にも余裕があり、時間をかけて将来を考えた治療が行えます。
早期に始めることで、仕上げの治療である「Ⅱ期治療」の期間を短縮できたり、不要となったりする可能性が高くなるでしょう。
骨格的な異常があれば早めの治療を!
乳歯は生後半年~8ヶ月あたりに生え始め、3歳ぐらいまでに生え揃うのが一般的です。この段階で不正歯列を心配される親御さまもいらっしゃいますが、この時期に焦って治療をする必要はありません。乳歯はいずれ、永久歯へと生え変わるためです。ただし顎骨が小さすぎる、あるいは大きすぎる場合は早期の治療がおすすめです。特に「受け口」の場合は、上顎骨の成長の遅れが考えられます。お子さまがこれに該当すると感じた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
開始のタイミングは「混合歯列期」
小児矯正には「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」があり、Ⅰ期治療は混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する6~12歳頃)に始めるのが一般的です。床矯正装置などを使用して行う場合が多いですが、取り扱う装置は歯科医院によってさまざまです。
8~9歳頃までマウスピースを使用し、その後、永久歯が生え揃うまで固定式のブラケット装置で歯並びを整えることもあります。この場合、個人差はありますが15歳前後までは治療が継続されるでしょう。
また治療を始めるタイミングについても、症例によっては早めたり遅らせたりする場合があります。例えばお子さまが自身で正しく歯を磨けない場合、むし歯のリスクを考慮し、装置をつけ始めるタイミングを遅らせることがあります。
静岡駅前歯科では、床矯正装置以外の治療にも対応しています。お子さまの歯並びについてお困りのことがあれば、一度ご相談ください。お子さまのお口の中を拝見し、最適な治療法や開始のタイミングについてご提案いたします。
メリットとデメリット
小児矯正を始めるタイミングについて、迷う親御さまが数多くいらっしゃいます。
「早めに治療をした方が将来的に困らず済むのかな」と思う反面、「装置をつけて生活させるのがかわいそう」と感じて葛藤するのではないでしょうか。
そこで小児矯正を始めるタイミングや、メリットとデメリットについてお話しします。
小児矯正のメリットとデメリットは、次の通りです。
●メリット
1.必要に応じて顎骨の成長をコントロールできる
2.骨格的な異常を改善しやすい
3.お子さまの歯が持つ本来の機能を手に入れられる
4.Ⅱ期治療の期間が短くなり、非抜歯で治療できる可能性が高くなる
5.取り外し可能な装置が多いため、お子さまの心身に負担をかけない
●デメリット
1.装置の着脱をお子さま自身で行う必要があるため、ある程度自己管理しなければならない
2.治療中はむし歯のリスクが上がる
3.小児矯正をしてもⅡ期治療が必要になったり、成人になってから再度歯列矯正をしたりしなければならない場合がある
このように小児矯正には、複数のメリットがある一方で懸念点も存在します。お子さまの成長や将来のことを考えて「早めに治療をさせてあげたい」と思う親御さまが多くいらっしゃいますが、必ずしも早期治療がよいわけではないことを知っておいてください。お子さまの成長や症状に合わせて、最適なタイミングで始めることが大切です。
お子さまの歯並びについて気になることがありましたら、静岡駅前歯科に一度ご相談ください。まずはカウンセリングを受けていただき、治療の必要性や開始の適切なタイミングについてご提案いたします。
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