骨粗しょう症の薬を飲んでいるとオールオン4は受けられない。
そう聞いて、岐阜で相談先を探す手が止まっていませんか。
結論から言えば、受けられるかどうかは、お薬の名前だけで決まるものではありません。
お薬の種類と使っている量、口の中の状態、ほかの持病までを含めて、主治医と連携のうえで個別に判断される内容です。
ただし、判断の材料がそろわないまま治療を進めてしまうことには注意が必要です。
ここでは、骨粗しょう症のお薬とあごの骨の関係、休薬についての現在の考え方、そして相談の前に準備しておきたいことを、学会の資料に沿って整理します。
なお、不安に感じることがあっても、ご自身の判断でお薬を中断しないでください。
中断してよいかどうかは、お薬を処方している医師が判断する内容です。
【この記事の監修者】
医療法人スマイル 理事長 尾崎 隆(歯科医師)
1989年歯科医師国家資格取得。
1999年スマイル矯正歯科(現・スマイル歯科クリニック・矯正歯科)開設。
2013年名駅歯科クリニック・矯正歯科、2018年岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科、アルティメイト栄歯科・矯正歯科を開設。
2020年医療法人スマイル設立、理事長就任。
資格・研修歴:USA OBI LEVEL4/MALO CLINIC Educationコース修了(All-on-4・インプラント)/マウスピース矯正・インビザライン認定医
骨粗しょう症の薬を飲みながら歯の治療を進めてよいのか迷っていませんか

「薬を飲んでいます」と伝えた瞬間に話が止まってしまった。
そんな経験をお持ちの方は少なくありません。
- ・相談の場でよくうかがう「薬を飲んでいるから難しい」という説明
- ・歯を多く失った方の選択肢としてオールオン4が挙がる場面
- ・迷ったときにいちばん避けたい自己判断
まずは、実際にうかがうご相談の内容から整理します。
ご相談で多いのは「薬を飲んでいるから難しい」と言われたという声
ご相談で特に多いのは、「骨粗しょう症の薬を飲んでいるので、うちでは手術できないと言われた」という声です。
なぜ難しいのかという説明がないまま話が終わってしまい、その後どこに相談すればよいのか分からず、何年もそのままになっているという方もいらっしゃいます。
その一方で、「お薬のことは特に聞かれませんでした」というお話をうかがうこともあり、どちらの場合もご本人の手元には判断の材料が残りません。
まずは、なぜお薬の確認が必要になるのかを知っておくと、相談の場で聞くべきことがはっきりします。
歯を多く失った状態でオールオン4が話題に挙がる場面
歯を多く失った方や、総入れ歯が合わずに困っている方の相談では、オールオン4という治療名が挙がることがあります。
オールオン4は、4本のインプラントで多くの人工歯を支える方法です。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、骨再生治療をせずに受けられることが多い治療として案内しています。
インプラントを埋めた当日に仮歯を固定し、約6ヶ月後に人工歯へと入れ替える流れが基本になります。
ただし、これは治療の一般的な流れであり、ご自身に適用できるかどうかは別の話です。
適応の可否は、必ず精密検査による診断が必要になります。
歯や全身の健康状態によっては適用できない場合もあります。
どのようなときに向かないのかは「インプラント治療をやめたほうがいい人とは?適応しないケースと他の選択肢」でも整理しています。
気になっても自己判断で薬を中断しないことが大切
歯科治療のために、ご自身の判断でお薬を飲むのをやめてしまう方がいらっしゃいます。
これは避けていただきたい行動です。
骨粗しょう症のお薬は、骨折を防ぐために続けているものです。
中断や延期によって骨の状態が変わり、骨折のリスクが高まる可能性が指摘されています。
まずはお薬を続けたまま相談し、必要があれば主治医と歯科で情報をやり取りする。
この順番が、どちらの治療も止めない進め方になります。
治療できるかどうかは薬の種類と全身の状態をふまえて個別に判断される

結論から言えば、骨粗しょう症のお薬を使っていることが、そのままオールオン4を諦める理由になるとは限りません。
- ・確認の起点になる骨吸収抑制薬というお薬のグループ
- ・学会のポジションペーパーが示している現在の考え方
- ・精密検査と主治医からの情報がそろって初めて判断できる理由
順に見ていきます。
確認の起点になるのは骨吸収抑制薬を使っているかどうか
骨粗しょう症の治療に使われるお薬のうち、歯科で必ず確認するのが骨吸収抑制薬と呼ばれるグループです。
代表的なものにビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤があり、飲み薬のほか、注射で投与されるものもあります。
さらに大切なのが、どのくらいの量を使っているかという点です。
骨粗しょう症の治療で使う量は低用量、がんの骨転移などの治療で使う量は高用量として区別されています。
そのため「薬を飲んでいる」という情報だけでは判断ができず、お薬の名前と量、飲み薬か注射かという確認から始まります。
学会のポジションペーパーが示している現在の考え方
現在の歯科での判断のよりどころとなっているのが、薬剤関連顎骨壊死の病態と管理 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023です。
2023年7月5日に公開された資料で、日本口腔外科学会や日本骨粗鬆症学会など6つの団体からなる顎骨壊死検討委員会が作成しています。
この資料には、骨粗しょう症の治療で使う量の骨吸収抑制薬を使用している方について、現時点ではインプラント埋入手術を行ってはならないとする根拠はない、という趣旨の記載があります。
一方で、ほかにリスクとなる要因を持っている場合は、無理な治療計画を立てるべきではなく、インプラント以外の方法も検討すべきとされています。
また、がんの治療などで高用量のお薬を使っている場合については、ほかに代わる治療があることから、インプラント埋入手術は行うべきではないと記載されています。
つまり「服薬中でも受けられます」と言い切れる内容ではなく、条件によって判断が変わるという整理です。
判断には精密検査と主治医からの情報の両方が必要になる
歯科でできるのは、口の中とあごの骨の状態を調べることです。
CT検査では、骨の幅や骨質、神経の通り道の位置、感染の原因となる歯の有無などを立体的に確認します。
一方で、お薬をこのまま続けるのか、量を変える予定があるのかといった全身の治療方針は、処方している医師でなければ分かりません。
ポジションペーパー2023でも、医科と歯科の連携が重要であるとされ、処方している医師からの情報と歯科医師からの情報の両方が必要だと明記されています。
どちらか一方だけでは判断が完結しない。
ここが、骨粗しょう症のお薬を使っている方の治療で最も大切な部分です。
骨粗しょう症の薬とあごの骨の関係で知っておきたいこと

お薬とあごの骨の関係は、ここ数年で考え方が整理されてきた分野です。
古い情報のままだと、必要以上に不安になったり、逆に確認が抜けたりします。
- ・骨吸収抑制薬がはたらく仕組み
- ・薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と呼ばれる状態
- ・骨粗しょう症の治療で使う量での発生頻度
- ・手術の傷よりも口の中の感染が重視されるようになった背景
1つずつ確認していきます。
骨吸収抑制薬がはたらく仕組み
骨は一度できたら変わらないものではなく、古い骨を壊す働きと新しい骨を作る働きを繰り返しています。
加齢や閉経などによって壊す働きが優位になると骨の量が減り、骨折しやすい状態になります。
骨吸収抑制薬は、この壊す働きを抑えることで骨の量が減るのを防ぐお薬です。
あごの骨も、体のほかの骨と同じように入れ替わりを続けています。
そのため、お薬の影響を受ける部位の1つと考えられています。
また、骨の密度が低い状態では、インプラントと骨が結びつきにくくなる面もあるとされています。
骨とインプラントの結合については「インプラントの安全性とリスク」でも仕組みを説明しています。
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と呼ばれる状態
骨吸収抑制薬を使っている方で問題になるのが、薬剤関連顎骨壊死と呼ばれる状態です。
英語の頭文字からMRONJと表記されます。
ポジションペーパー2023では、次の3つの項目を満たした場合にMRONJと診断するとされています。
- ・ビスホスホネート製剤やデノスマブ製剤による治療歴があること
- ・8週間以上持続して、口やあご、顔の部分に骨の露出が認められること、または口の中や外から骨を触れる瘻孔が8週間以上認められること
- ・原則として、あごの骨への放射線照射の既往がなく、あごの骨の病変が原発性のがんや、がんの転移によるものでないこと
つまり、抜歯や手術のあとに一時的に治りが遅いというだけで、ただちにMRONJと判断されるわけではありません。
一方で、8週間を超えて治らない状態が続く場合には、精密な確認が必要になります。
骨粗しょう症の治療で使う量での発生頻度
ポジションペーパー2023には、骨粗しょう症の治療で使う量における発生頻度として、次のような数字が示されています。
| 調査・見解 | 示されている発生頻度 |
|---|---|
| ONJ国際タスクフォースの推定(ビスホスホネート製剤) | 0.001%〜0.01% |
| 米国口腔顎顔面外科学会2022の見解(ビスホスホネート製剤) | 0.02%〜0.05%(臨床試験でお薬を使っていないグループと同程度) |
| 日本のレセプトデータを用いた調査 | 10万人年あたり22.9人 |
数字の出典は顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023の本文です。
いずれもまれとされる頻度ですが、ゼロではありません。
だからこそ、頻度の低さを理由に確認を省くのではなく、防げる要因を減らす考え方が大切になります。
手術の傷よりも口の中の感染が重視されるようになった背景
以前は、抜歯などの外科処置そのものが最大の引き金と考えられていました。
しかしポジションペーパー2023では、発症に関わる要因として、抜歯などの手術による侵襲よりも、あごの骨の感染の存在が重視されるようになっています。
具体的には、歯周病、根の先の病変、あごの骨の骨髄炎、インプラント周囲炎といった感染性の病気、そして口の中の清掃状態の不良や合っていない入れ歯などが、はっきりしたリスク要因として挙げられています。
この整理が意味するのは、手術を避けて先延ばしにすれば安心、とは限らないということです。
感染の原因を残したまま時間が経つほうが、状況が難しくなる場合もあります。
歯周病がある状態での治療の考え方は「歯周病があってもインプラント治療はできる?成功させるための条件と注意点」でも解説しています。
休薬すれば安心という考え方に注意したい理由

手術の前に薬をやめておけば安心だと考えている方は多いかもしれません。
ここは特に誤解が生じやすい部分です。
- ・抜歯のときの休薬について示されている考え方
- ・休薬の可否を歯科医院だけで決められない理由
- ・自己判断で中断した場合に心配されること
順番に確認します。
抜歯のときは原則として休薬しないことが提案されている
ポジションペーパー2023では、抜歯の際について、原則として骨吸収抑制薬を休薬しないことを提案する、という見解が示されています。
理由は、休薬によって発症を予防できるという十分な根拠が、現時点では得られていないためです。
さらに、休薬のために抜歯が延期されることで、歯やあごの感染が進んでしまう懸念や、休薬が長期に及んだ場合に骨折のリスクが上がるという指摘も、委員会の中で挙げられています。
かつて広く言われていた「歯科治療の前は薬を止める」という考え方とは、方向性が変わってきています。
古い情報のまま自己判断で行動すると、かえって不利になる場合があります。
休薬するかどうかを歯科医院だけで決めることはできない
ここは、はっきりお伝えしておきたい点です。
お薬を休むかどうか、量を変えるかどうかは、歯科医院の側だけで判断できる内容ではありません。
骨折のリスクや骨密度の推移、これまでの治療経過を把握しているのは、お薬を処方している医師です。
歯科の役割は、どのような治療がいつ必要になるのか、どの程度の外科処置になるのかという情報を整理して伝えることにあります。
そのうえで、処方している医師の判断を確認し、双方の情報をそろえてから治療計画を決めていきます。
「歯科で休薬の指示が出た」という形で話が進む場合は、その内容が主治医と共有されているかを確認しておくと安心です。
自己判断で中断した場合に心配される骨折のリスク
自己判断での中断が心配されるのは、骨の状態が変わる可能性があるためです。
ポジションペーパー2023では、デノスマブ製剤について、中止したあとに骨密度が急速に減少し、骨の代謝を示す数値が急に上昇することが示されており、中止や長期の延期のあとに背骨の骨折が増える可能性が指摘されています。
そのため、このお薬は中止しないことが望ましいと考えられている、と記載されています。
歯を治すために始めた行動が、骨折という別の問題につながってしまっては本末転倒です。
繰り返しになりますが、中断してよいかどうかは主治医の判断です。
歯科の相談は、お薬を続けたままでも進められます。
「もう少し早く知っておけば、別の進め方ができたのに」というお声を、これまで何度もうかがってきました。
判断の材料がないまま迷い続ける時間ほど、もったいないものはありません。
LINEでは、3分でできる状態のチェックと、実際の症例や費用の目安をご覧いただけます。
治療ができるかどうかは検査と診断が必要ですが、相談前の情報整理としてご利用ください。
骨が少ない状態でオールオン4が選択肢に挙がる理由と限界

骨が少ないと言われた方の相談で、オールオン4という名前が挙がる場面は多くあります。
ただし、名前が挙がることと、向いていることは別の話です。
- ・骨が比較的残りやすい部位を選んで埋入する治療の特性
- ・骨を増やす方法を組み合わせる場合との違い
- ・上あごの骨が大きく痩せている場合に検討される方法
- ・骨粗しょう症だからオールオン4が向いているとは言い切れない理由
それぞれ具体的に紐解いていきます。
骨が比較的残りやすい部位を選んで埋入する治療の特性
オールオン4は、4本のインプラントで多くの人工歯を支える設計の治療です。
あごの骨は、場所によって痩せ方が異なります。
オールオン4は比較的骨量が保たれやすい部位を活用する治療とされており、骨再生治療をせずに受けられることが多いと案内されています。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、インプラントを埋めた当日に仮歯を固定し、約6ヶ月後に人工歯へ入れ替える流れで、インプラントは10年保証としています。
ただし、口の中の状態によって仮歯の装着が翌日以降になる場合もあり、流れは一律ではありません。
そして、この方法が選べるかどうかは、CTなどの精密検査による診断が必要です。
骨を増やす方法を組み合わせる場合との違い
骨が足りない場合には、骨を増やす方法を組み合わせる選択肢もあります。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、骨の厚みが3〜5mm以下と極めて薄いケースに対応するサイナスリフト、3〜5mm程度の厚みが残っている場合に適用されるソケットリフト、骨の欠損が少ない場合に行うGTR法を用意しています。
サイナスリフトの場合、骨ができるまでに3〜6ヶ月ほどかかり、そこからインプラントの埋入と骨との結合を待つため、全体では約1年を見込む必要があります。
つまり、骨を増やす方法を選ぶと、治療の期間も外科処置の回数も増えます。
一方で、CT検査によって不必要な骨移植や骨造成を避けられる場合もあり、診断の精度によって選べる方法が変わってきます。
いずれの術式も、適応の可否は精密検査による診断が必要です。
上あごの骨が大きく痩せている場合に検討される方法
上あごの骨の痩せ方が大きく、オールオン4も難しいと判断される場合に検討されるのが、ザイゴマインプラントです。
頬骨にインプラントを埋入する方法で、骨造成をせずに対応できる点が特徴とされています。
ただし、高い技術と経験を要する治療であり、誰にでも適用できるものではありません。
上あごの骨の状態やほかの条件を含めて、精密検査による診断が必要です。
骨が少ない場合の選択肢の全体像は「骨が少なくてもインプラントはできるのか?治療方法と対策を解説」でも整理しています。
骨粗しょう症だからオールオン4が向いているとは言い切れない
ここは誤解されやすい部分です。
骨造成を避けられる可能性があるという特性は、骨粗しょう症の方に向いているという意味ではありません。
ポジションペーパー2023では、骨粗しょう症の治療で使う量のお薬に加えて、ほかの骨に作用するお薬の使用歴、糖尿病や自己免疫疾患、人工透析を受けているといった要因を持つ場合には、無理な治療計画を立てるべきではなく、インプラント以外の方法も検討すべきとされています。
つまり、外科処置の回数を減らせるかどうかという視点だけで治療法を選ぶのは危険です。
お薬の使用状況、口の中の感染の有無、ほかの持病を含めて、主治医と連携のうえで個別に判断していく必要があります。
糖尿病がある場合の考え方は「糖尿病でもインプラントはできる?リスクと成功の条件を解説」でも解説しています。
骨が少ない場合の治療法の詳細は「骨が薄い方のインプラント治療法」、オールオン4の治療内容と流れは「ALL-on-4」のページにまとめています。
相談の前に準備しておきたいものと主治医に確認したいこと

準備を1つ整えるだけで、相談で得られる情報の精度は大きく変わります。
- ・受診時に持参しておきたい資料
- ・主治医に確認しておきたい4つの項目
- ・歯科の検査でわかることとわからないこと
- ・お薬を始める前であれば順番を変えられる場合があること
まずは持ち物から見ていきます。
お薬手帳と処方内容がわかる資料を持参する
歯科の相談に行くときは、お薬手帳を持参すると確認がスムーズです。
注射で投与を受けている場合は、投与の間隔と直近の投与時期が分かるものがあると役立ちます。
お薬手帳が手元にない場合は、処方箋の控えや、調剤薬局で渡される薬剤情報提供書でも構いません。
「骨の薬を飲んでいる気がする」という記憶だけでは、判断に必要な情報になりません。
ここは書面で持参するのが確実です。
主治医に確認しておきたい4つの項目
歯科を受診する前に、主治医へ確認しておくと話が早く進む項目があります。
- ・使っているお薬の名前と種類(飲み薬か注射か)
- ・いつから使っているか、今後も続ける予定か
- ・骨粗しょう症の治療としての使用か、がんの治療にともなう使用か
- ・一緒に使っているお薬(ステロイドなど)や、糖尿病などの持病の有無
あわせて、歯科でインプラントを含む治療を検討していることを、主治医にも伝えておいてください。
なお、休んでよいかどうかの判断は主治医に委ねられる部分です。
ご自身から歯科に休薬を申し出るのではなく、双方で情報をやり取りできる状態を整えることが目的になります。
歯科の検査でわかることとわからないこと
歯科のCT検査で分かるのは、あごの骨の厚みや幅、骨の質、神経の通り道の位置、そして感染の原因となっている歯があるかどうかです。
反対に、全身の骨折リスクや、お薬を今後どうしていくかという方針は、歯科の検査だけでは分かりません。
ここを整理しておかないと、必要な確認が抜けたまま治療が進んでしまうことがあります。
国民生活センターが2019年に公表した歯科インプラントに関する調査では、手術前にCT検査を受けた人は6割程度で、特に検査も質問もなかったという人が2割程度いたことが示されています。
手術中や手術後のリスクや合併症について、口頭での説明に加えて書面も渡された人は4人に1人(25.0%)にとどまるという結果でした。
同じ調査には、骨粗しょう症のお薬を服用していたにもかかわらず治療されたという相談事例も挙げられています。
全身の状態を確認する時間があるかどうかは、相談先を選ぶうえで大切な視点です。
薬を始める前であれば治療の順番を変えられる場合がある
これから骨吸収抑制薬を始める予定という段階であれば、順番を変えられる場合があります。
ポジションペーパー2023では、お薬の投与を開始する前に、必要な外科的な歯科治療を終えていることが発症予防に効果的であるとされ、抜歯をはじめとする治療は可能な限り投与開始前に終えておくことが望ましいと記載されています。
抜歯後は傷の治りを確認したうえで、処方している医師が投与の開始時期を検討する形になります。
骨粗しょう症の治療がこれから始まるとご案内を受けている方は、歯科の受診も並行して検討しておくことをおすすめします。
岐阜で相談先を選ぶときに確認しておきたいこと

相談先によって、確認される項目は変わります。
骨粗しょう症のお薬を使っている方の場合、見るべき点はある程度はっきりしています。
- ・主治医と情報のやり取りを行う体制があるか
- ・手術中の全身状態を確認する設備が整っているか
- ・治療前の感染源の治療とメンテナンスの計画が示されるか
- ・総額と追加で必要になる費用の条件まで示されるか
具体的なポイントは次の通りです。
主治医と情報のやり取りを行う体制があるか
まず確認したいのが、医科と歯科で情報をやり取りする流れが用意されているかどうかです。
ポジションペーパー2023でも、処方している医師からの情報と歯科医師からの情報の両方が連携に欠かせないとされています。
お薬の内容を聞き取らずに治療計画が示される場合は、いったん立ち止まる場面です。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、初日に無料のCT撮影と診断を行い、治療の概要をお伝えしています。
紹介状は不要で、他院で治療を受けている段階でのご相談も受け付けています。
これらはすべて無料で行っており、当院での治療を強要するものではありません。
詳しい流れは「インプラントのセカンドオピニオン」のページをご覧ください。
手術中の全身状態を確認する設備が整っているか
骨粗しょう症のお薬を使っている方は、年齢を重ねてからの治療になることが多く、ほかの持病をお持ちの場合もあります。
そのため、手術中の状態を確認できる環境かどうかも見ておきたい点です。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、手術中の脈拍や血圧を観察する生体管理モニターを導入しています。
手術室は完全に隔離された環境で、室内の気圧は陽圧に保たれており、自動ドアが開いても外気によって内部の空気が汚染されない構造です。
無影灯には、脳外科や整形外科でも使用されているSKYLUX製の広光野手術用照明灯を採用しています。
設備の詳細は「歯科用CT・インプラント手術室」のページにまとめています。
治療前の感染源の治療とメンテナンスの計画が示されるか
治療の前後で口の中をどう管理していくのか、その計画まで示されるかどうかも大切な確認点です。
ポジションペーパー2023では、口腔管理を中心とした継続的な歯科治療を行い、良好な口腔衛生の状態を保つことが発症予防に重要であるとされています。
ところが、先ほどの国民生活センターの調査では、インプラント治療を受けた方のうち4割程度がメンテナンスを受けていないという結果が示されていました。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科では、インプラントの10年保証について、最低でも半年に一度の定期検診を受けていただくことを条件としています。
オールオン4を検討する際の注意点は「【オールオンフォーのリスク】後悔しないための事前確認ポイント」でも整理しています。
総額と追加で必要になる費用の条件まで示されるか
費用は、金額そのものよりも、何が含まれていて、どんなときに追加が生じるのかが明示されているかどうかが重要です。
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科の場合、インプラントの埋入は1本あたり290,000円(税別・10年保証)で、上部構造の費用は別途必要になります。
オールオン4は片顎1,750,000円(税別)で、麻酔などの諸費用は別途です。
分割払いの例としては、オールオン4の場合に月々39,000円から(初回43,000円)という案内があり、手数料と利子はご負担いただく形になります。
保証の対象はインプラント本体で、期間は治療後10年間(被せ物にハイブリッドセラミックスを使用する場合は5年間)です。
被せ物にあたる上部の歯は別の規約で5年保証となり、使用期間に応じて負担割合が変わります。
インプラント治療は外科処置を伴う自由診療です。
主なリスク・副作用として、術後の腫れや痛み、細菌感染やインプラント周囲炎、骨とインプラントが結合しない可能性、神経や血管の損傷などがあります。
なお、インプラント治療で保険診療は行っておらず、自由診療となります。
保証を適用するには、半年ごとの定期検診を継続していただくことが条件です。
骨を増やす処置が必要になる場合は、その分の費用と期間が加わります。
診断の結果によって内容が変わるため、金額の詳細は「料金ページ」と個別のご案内でご確認ください。
費用の見え方は、総額に何が含まれているかをどこまで把握しているかで変わってきます。
LINEでは、実際の症例と費用の目安、そして医院選びで確認しておきたい項目のチェックリストをご覧いただけます。
見積もりを比べる前に、確認すべき項目をそろえておくことをおすすめします。
骨粗しょう症とオールオン4でよくある質問

相談前によくいただく質問をまとめました。ご自身の状況に近いものからご確認ください。
- Q.骨粗しょう症の薬を飲んでいるとオールオン4は受けられませんか?
- Q.手術の前に薬をやめておいたほうがよいですか?
- Q.飲み薬ではなく注射の場合も歯科に伝える必要がありますか?
- Q.骨密度が低いと言われましたがあごの骨も同じ状態ですか?
- Q.治療が終わったあとも気をつけることはありますか?
以下で詳しく説明します。
Q.骨粗しょう症の薬を飲んでいるとオールオン4は受けられませんか?
一律に受けられないと決まっているわけではありません。
ポジションペーパー2023では、骨粗しょう症の治療で使う量のお薬を使用している方について、現時点ではインプラント埋入手術を行ってはならないとする根拠はないとされています。
ただし、ほかにリスクとなる要因がある場合は、無理な計画を立てず別の方法も検討すべきとされ、がんの治療などで高用量のお薬を使っている場合は行うべきではないとされています。
実際に受けられるかどうかは、精密検査による診断と、主治医と連携したうえでの個別の判断になります。
Q.手術の前に薬をやめておいたほうがよいですか?
ご自身の判断で中断しないでください。
抜歯の際については、原則として休薬しないことを提案するという見解が示されています。
休薬によって発症を防げるという十分な根拠が得られていないためです。
休むかどうか、変更するかどうかは、お薬を処方している医師が判断する内容です。
歯科医院だけで決められるものではありません。
歯科での相談は、お薬を続けたままでも受けられます。
Q.飲み薬ではなく注射の場合も歯科に伝える必要がありますか?
必要です。
骨吸収抑制薬には、飲み薬だけでなく注射で投与されるものも含まれます。
デノスマブ製剤のように、数ヶ月に一度の注射で使用されるお薬もあり、ご本人が「薬は飲んでいない」と認識されている場合があります。
注射の種類や間隔が分かる資料を持参いただくか、事前に主治医へご確認ください。
Q.骨密度が低いと言われましたがあごの骨も同じ状態ですか?
必ずしも同じとは限りません。
骨密度の検査は腰の骨や太ももの付け根などで測定されるのが一般的で、あごの骨の状態は歯科のCT検査などで別途確認します。
一方で、骨の密度が低い状態ではインプラントと骨が結びつきにくくなる面もあるとされており、あごの骨の厚みや質は治療計画に影響します。
健康診断の結果だけで判断せず、あごの骨の状態は歯科で確認するとお考えください。
Q.治療が終わったあとも気をつけることはありますか?
治療後の口腔管理は、治療前と同じくらい大切です。
ポジションペーパー2023では、継続的な歯科治療と良好な口腔衛生の維持が発症予防に重要であるとされ、インプラント周囲炎もリスク要因の1つに挙げられています。
ご自宅での歯みがきに加えて、定期検診とメンテナンスを続けていくことが、長く使ううえでの前提になります。
このほかの疑問は「インプラントお悩み相談Q&A」にもまとめていますので、あわせてご覧ください。
骨粗しょう症とオールオン4を岐阜で検討する方へのまとめ

骨粗しょう症のお薬とオールオン4について、ここまでの内容を整理します。
- ・受けられるかどうかは、お薬の名前だけでなく、種類と量、口の中の状態、ほかの持病を含めて個別に判断される
- ・ポジションペーパー2023では、骨粗しょう症の治療で使う量のお薬について、現時点ではインプラント埋入手術を行ってはならないとする根拠はないとされている
- ・一方で、リスクとなる要因がある場合は無理な計画を立てず、ほかの方法も検討すべきとされている
- ・抜歯の際は原則として休薬しないことが提案されており、休薬の可否は歯科医院だけで判断できない
- ・自己判断でお薬を中断せず、主治医と歯科で情報をやり取りできる状態を整えることが出発点になる
岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科は、JR岐阜駅から徒歩2分の場所にあります。
歯科用CTによる診査、完全に隔離された陽圧管理のインプラント手術室、手術中の脈拍や血圧を観察する生体管理モニターを備え、年間500本程度のインプラント埋入を行っています。
骨が少ない場合の対応として、サイナスリフト、ソケットリフト、GTR法、そしてザイゴマインプラントに対応しています。
「薬を飲んでいるから無理だと言われた」「どこに相談すればいいのか分からない」「入れ歯が合わないまま何年も過ごしている」。
このようなお悩みは、岐阜市や大垣市、羽島市など周辺地域の方からもご相談いただける立地です。
他院で難しいと言われた場合のご相談は「難症例や他院でインプラントを断られた方へ」のページもご覧ください。
なお、岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科が所属する医療法人スマイルは、岐阜と名古屋(名駅・栄)、小牧の4院で診療を行っています。
グループ全体の体制については医療法人スマイル公式サイトをご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。
骨粗しょう症のお薬に関する判断は、必ず主治医および歯科医師にご相談ください。
これから相談を検討される方に向けて、3分でできる状態のチェックと、医院選びで確認したい項目のチェックリストをLINEで無料でご案内しています。
お薬のことだけを質問していただく形でも構いませんので、以下からご利用ください。
【この記事の監修者】
医療法人スマイル 理事長 尾崎 隆(歯科医師)
1989年歯科医師国家資格取得。
1999年スマイル矯正歯科(現・スマイル歯科クリニック・矯正歯科)開設。
2013年名駅歯科クリニック・矯正歯科、2018年岐阜駅前歯科クリニック・矯正歯科、アルティメイト栄歯科・矯正歯科を開設。
2020年医療法人スマイル設立、理事長就任。
資格・研修歴:USA OBI LEVEL4/MALO CLINIC Educationコース修了(All-on-4・インプラント)/マウスピース矯正・インビザライン認定医

















